司法書士ライターのTです。
今回は、当事務所においても重要な商業登記や法人登記のことについて解説していきます。
商業登記とは、会社において、商号や本店所在地、取締役の氏名などを国の登記簿というものに記録し、広く一般に公開する制度です。一般社団法人、医療法人、NPO法人などの会社以外の法人にも同様の制度があり、それを法人登記といいます。法人登記には商業登記法に必要な修正をしたうえで適用されていることが多く、商業登記・法人登記をまとめて商業登記と呼んでいることも多いです。
まずは商業登記について、会社の登記では、会社法という法律で登記が必要となる事項などが定められており、商業登記法という法律で手続きに関する事項を定められています。会社法が実体、商業登記法が手続きというイメージです。
例えば、株式会社において、「資本金の額」は登記しなければならないとされています(会社法911条3項5号)。しかし、その登記の手続きに関しては会社法には規定がありません。そこで、商業登記法という法律で手続きに関して定められています。
登記に関しては決して簡単なものではありません。実際のところ、商業登記法のほか、商業登記規則や通達・先例なども参照します。手続きもかなり複雑なものが多いため司法書士に依頼するのが一般的です。
一般に「簡単」と言われがちな役員変更登記の申請ですが、それも実は簡単なものではありません。例えば「代表取締役の変更」登記の申請において、印鑑登録証明書の添付が必要かどうかという問題があります。これは、商業登記規則に規定があります。
【商業登記規則61条6項】代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
【1号】株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
【2号】取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
【3号】取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑
これは、代表取締役の就任の際の登記申請に必要な印鑑証明書についての規定です。上記で何が書かれているか読み取りが必要です。しかも、この規定以外にも参照が必要な規定があります。
【商業登記規則61条6項】設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したこと(成年後見人又は保佐人が本人に代わつて承諾する場合にあつては、当該成年後見人又は保佐人が本人に代わつて就任を承諾したこと。以下この項において同じ。)を証する書面に押印した印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面に押印した印鑑についても、同様とする。
会社の乗っ取り防止と実在証明のため、これらが求められているとされており、その規定に則って判断が実用となります。
「代表取締役の変更」登記の申請において、印鑑登録証明書がいるかどうかだけでこれだけの規定を参照が必要になります。
その他、取締役や監査役などの役員の変更登記についても、再選のときも「重任」でよいか、「退任」して「就任」にしないといけないかどうかの判断や、登録免許税額も株式会社の資本金の額によって変わります。
そして、役員変更の場合、その日から2週間以内に登記を申請しないと登記懈怠の問題になります。
これらのことからも、仮に役員変更であっても商業登記は司法書士へ依頼するのがほぼマストでしょう。
次に法人登記ですが、こちらは商業登記よりさらに複雑です。
その理由として、法人登記においては商業登記とは異なり、「法人登記法」というものは存在しません。商業登記のように、その手続きに関する法律がありません。
一般社団法人や一般財団法人においては、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(一般法人法)に登記に関する規定があります。商業登記でいう、会社法と商業登記法の規定が一般法人法に入っています。そのため、一般法人に関しては一般法人法をに則って登記手続きまでできます。
一般法人についての登記は会社とかなり似ています。例えば一般社団法人では理事や代表理事が全員登記されますし、印鑑証明書の要不要についても上記で記載したのと同様です。
一方で医療法人については、医療法に登記に関する規定がありません。NPO法人も同様で、NPO法に登記に関する規定がありません。社会福祉法人や学校法人、管理組合法人なども同様です。そして、これらの法人については、「組合等登記令」という政令に則って登記を行います。
組合等登記令が適用される法人においては、法人の代表者のみ登記されます。医療法人においては「理事長」だけが登記されます。一般社団法人や一般財団法人は理事も代表理事も全員登記されるため、これらとは異なります。
根拠法に則って登記を行う法人もあります。宗教法人は、宗教法人法に登記に関する規定が置かれています。ここは一般社団法人や一般財団法人と似ていますが、登記する内容は同様ではありません。
独立行政法人のように、「独立行政法人等登記令」に則って登記をおこなう法人もあります。
まず、どの法令を使うか、というのから複雑なのが法人登記です。そして登記する事項も法人ごとで異なるため、商業登記以上に複雑です。
よって、法人登記についても司法書士へ依頼するのがほぼマストでしょう。
◆まとめ
会社や法人の商号・名称や情報を公開する制度
商業登記は会社、法人登記は会社以外の法人
かなり複雑な制度となっている
今回は以上となります。
このようなご相談に対応しております。
・相続に関する専門的な記事を作成してほしい
・ブログに記事を提供してほしい
・インターネット広告用バナーを作成してほしい
・相続や会社法人のことについて司法書士に相談したい


