株式会社に関する実務の中で、「これって手続きが必要なの?」と迷う場面は少なくありません。
中でも代表取締役の住所変更については重要です。
たとえばこんなケースがあります。
「社長が引っ越したけど、法務局に届け出る必要があるのか分からない」
「登記に関係するのか、しておかないと何か問題になるのか気になる」
今回は、代表取締役が引っ越しをした場合に、住所変更登記が必要かどうかを中心に、関係する注意点や実務対応についてわかりやすく解説していきます。
代表取締役の住所変更登記について
代表取締役は、会社の商業登記簿に登記されています。では、その代表取締役の住所のみが変更となった場合、登記を申請する必要があるのかについて解説します。
代表取締役の住所変更登記が必要?
株式会社を経営されている方や経理・総務ご担当の方が疑問に思う点について、
「代表取締役の住所が変わった場合、登記は必要か?」
というものがあります。
結論を言うと、この場合、代表取締役の住所変更の登記を申請しなければなりません。代表取締役等住所非表示措置により、住所を非表示としている場合であっても同様です。
代表取締役の住所変更の登記について
会社の登記簿を見てみると、代表取締役の氏名と住所が登記されています。つまり、住所が変わったのならば、その変更の登記を申請しなければなりません。
必要書類
代表取締役の住所変更の登記には、以下の書類が必要です。
- 変更登記申請書
- 委任状(司法書士への委任状)
- 住居表示の実施又は地番変更を伴う行政区画の変更が行われた場合、その市町村長の証明書等:これらが行われた場合に提供すると、登録免許税額(1万円又は3万円)が非課税となります。
住居表示の実施とは、地番ではなく、街区符号と住居番号を用いて、住所を「○○市▲▲町□□1番1号」といったように表示をすることです。住居表示が実施されていない地方などでは、「○○市▲▲町□□1番地」といったように、地番が住所となっています。
行政区画の変更とは、市町村長の区域が変更となった場合をいいます。地番変更を伴う行政区画の変更とは、市町村長の区域とともに「1番地」が「1番1号」に変更となった場合をいいます。
通常の場合、変更登記申請書と司法書士への委任状を、本店所在地を管轄する法務局へ提出します。
登記の申請は義務?
代表取締役の住所に変更があった場合、その日から2週間以内に変更の登記を申請しなければなりません。申請しないと、登記懈怠となり、100万円以下の過料となることがあります。
実務上の注意点
代表取締役の住所が変わったことを社内で把握しておくことは大切です。たとえば、銀行や取引先、税務署への届け出など、登記以外の実務面で住所変更が影響する場面は多々あります。
会社実印について
会社の実印を改印する場合などにおいて、登記簿上の住所と実際の住所が異なる場合、代表取締役の住所変更登記も申請しなければなりません。
定款に住所を記載している場合
定款で代表取締役を定めている場合などでは、代表取締役の住所まで記載している株式会社もあります。
この場合、定款の内容と現実が一致しないため、定款変更が必要となります。この場合でも、代表取締役の住所変更登記の申請に定款を添付する必要はありません。
届出について
以下のような関係各所には住所変更の届け出が必要になることがあります。
- 銀行
- 取引先(代表者個人情報の更新)
- 公的機関 など
これらを怠ると、取引先などからの信用が低下する恐れもあります。
まとめ
| 項目 | 必要な対応 |
|---|---|
| 法務局への登記申請 | ✅ 必要 |
| 定款に代取住所が記載されている場合 | ✅ 定款変更が必要 |
| 取引先等への届け出 | ✅ 必要な場合が多い |
代表取締役の住所が変わった場合、代表取締役の住所変更登記を申請しなければなりません。
また、登記以外にも実務上の届け出には注意が必要です。
本記事のケースのように、登記が必要かどうか判断に迷う場合は、まずは司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。


