合同会社(LLC)は設立費用が安く、運営の自由度も高いため、多くの方が選択肢として検討します。しかし、設立後に「思っていたのと違った」「株式会社にしておけばよかった」と後悔するケースも少なくありません。
今回は、合同会社を設立して後悔する主な理由と、具体的な対処法について解説します。
合同会社を設立して後悔する理由は?
会社を設立しようと検討中の方の中には、合同会社を設立しようと考えている方も多いでしょう。しかし、「合同会社はやめとけ」と言われることも少なくないです。なぜ「やめとけ」と言われるのでしょうか。
社会的信用が低いと感じた
合同会社は株式会社と比べ、知名度がまだ低く、取引先や金融機関から「会社としての格が低い」と見られてしまうことがあります。特に、大手企業との取引や融資申請の際に株式会社と比較され、不利になると感じることがあります。
出資者とのトラブル
合同会社では「出資=社員(構成員)」となるため、経営に関する意見の不一致が表面化しやすく、トラブルに発展することがあります。株式会社のように出資と経営を分離できないため、対立が解消しにくい傾向があります。
参考記事:合同会社(LLC)の社員間トラブルについて-リスクとその対策について解説
スタッフ採用が難しい場合も
「合同会社=小規模・不安定」と見なされ、優秀な人材の採用に苦労するケースがあります。知名度の低さや将来性に不安を抱かれることも要因のひとつです。
会社を大きくしづらい
将来的な上場やベンチャーキャピタルの資金調達を考えた場合、合同会社では限界があります。そのため、成長を目指す中で「株式会社にしておけばよかった」と感じる方もいます。
会社の規模がいくら大きくなったとしても、合同会社では株式上場をすることはできませんので、その面でも後悔する可能性はあります。
後悔した場合の対処法
株式会社へ組織変更
合同会社から株式会社への「組織変更」は可能です。これは法人格を維持したまま、組織形態を変更する手続きです。
【組織変更の流れ(概要)】
- 組織変更計画書の作成・公告
- 総社員の同意
- 債権者保護手続き
- 組織変更の登記申請
費用と手間はかかりますが、新たに株式会社を設立するよりもスムーズに移行できます。ただし、費用はかかりますので、コスト面での検討が必要です。
新たに株式会社を設立する
合同会社としての活動を終了し、別法人として株式会社を設立します。この場合、合同会社は吸収合併をして消滅させるか、解散・清算を行います。
【メリット】
- 株式会社設立時に出資者や役員体制を一から見直せる
- 新会社として再スタートできる
【デメリット】
- 法人格が変わるため、取引先との契約変更や口座・許認可の移管が必要になる
- 解散・清算手続きに一定の期間と費用がかかる
合併or解散、どっちがよい?
どちらがよいかは状況によりますが、私個人としては基本的に合併をおすすめしています。理由としては合同会社の「解散」をする場合は清算手続きが必要となりますが、「合併」により合同会社を消滅させる場合は清算手続きをしなくてもよいためです。
清算手続きのためには債権者保護のための官報公告や、財産の処分などの清算手続きが必要になりますが、その際の手続き費用は割と高額です。
一方で合併をする場合も、費用は高めですが、手続きとしては清算手続きを行うよりもスムーズにいくことが多いです。
合同会社のまま活動を行う場合の工夫
最後は、合同会社のまま活動を行う場合の工夫です。
信用面での不安を感じる場合は、以下のような工夫でカバーできることもあります。
- ホームページをしっかり作成し、信頼感のある会社に見せる
- 商号を工夫し、立派なイメージにする(例:「○○グループ合同会社」など)
- 名刺や会社案内に事業実績・顧客の声などを記載する
ホームページの工夫
ホームページやブログでSEO対策をし、検索エンジンで上位に表示させるだけでも信用は高くなります。
ホームページを作成する場合において、ランディングページ(LP)のみではSEO対策がしにくいです。
参考記事:会社設立後にやるべきWeb施策|成果を出すランディングページの作り方とは
その場合はブログを投稿し、SEO対策をしていきましょう。例えばWordPressではブログ運用も可能であるため、本格的なホームページを作成しない場合は「WordPress.com」でブログ運用するのがおすすめです。
本格的にコーディングからデザインまで行う場合、「WordPress.com」では自由度が低いため、レンタルサーバーを利用し、WordPressをダウンロードする方法がおすすめです。
いずれにしても、WEB制作事業者に相談してみるとよいでしょう。
SNSで工夫する
SNSで知名度が上昇すると、合同会社であっても一般の株式会社以上の知名度を得ることができます。結果的に株式会社を超えて信用を得るケースもあります。
現在のSNS下では、知名度が高い企業は信用も高くなりやすいです。そのためには、TwitterやInstagram、TikTokなどの投稿を地道に続けるのがカギです。
いきなりバズらせる必要はありません。そして、バズったとしても一発屋で終わるケースも少なくありません。地道に続けるというのが最も重要です。
運用に不安がある場合は、SNS運用代行事業者に任せるのも手です。
専門家に相談することも大切
合同会社のままで経営を継続すべきか、株式会社に変更すべきかは、事業の内容や今後の方針によって異なります。
合同会社のまま運営を続けた方がよいケースもあるかもしれません。
いずれにしても、税理士や司法書士などの専門家に相談することで、最適な選択肢を見つけることができるでしょう。
まとめ
合同会社を設立して後悔する理由はさまざまですが、株式会社への組織変更や解散、株式会社の再設立など、対応できる手段もあります。早めに現状を見直し、事業の成長に適した形を選択することで、後悔をチャンスに変えることも可能です。
迷ったら、専門家に相談してみることをおすすめします。


