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政党法人格付与法による政党の設立手続きと登記手続きを解説

その他法人

政治活動を本格的に行うためには、「政党」を設立する必要があります。しかし、政党の設立には特有の手続きがあり、一般的な法人設立とは異なります。政党は、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律(政党法人格付与法)に基づいて法人各を得ることができます。今回は、その政党の設立手続きと登記について解説します。


政党とは?

政党とは、政治上の主義・政策を同じくする者が、政治活動を行い、政権の獲得または政治的影響を及ぼすことを目的とする団体です。

ここでの「政党」とは、政治団体(政治資金規正法第3条第1項に規定する政治団体)のうち、次のいずれかに該当するものをいいます。

  • ①:当該政治団体に所属する衆議院議員又は参議院議員を5人以上有するもの
  • ②:①に該当する政治団体に所属していない衆議院議員又は参議院議員を有するもので、直近において行われた衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙又は直近において行われた参議院議員の通常選挙若しくは当該通常選挙の直近において行われた通常選挙における比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政治団体の得票総数が当該選挙における有効投票の総数の100分の2以上であるもの

②をもう少しわかりやすく言うと…

所属国会議員が1人以上で、かつ以下のいずれかの選挙における全国を通じた得票率が2%以上のものをいいます。

  • 前回の衆議院議員総選挙(小選挙区選挙又は比例代表選挙)
  • 前回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)
  • 前々回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)

なお、他の政党(政治資金規正法第6条第1項の規定により政党である旨の届出をしたもの)に所属している衆議院議員又は参議院議員が所属している政治団体については、ここには該当しません。


政党設立の手続き

政党交付金の交付を受ける政党等は、政党法人格付与法の規定に基づいて法人格を得ることができます。政党に法人格を付与して設立するための基本的な流れは次のとおりです。

中央選挙管理会への届け出

届出事項

政党は、以下の事項を中央選挙管理会に届け出て、中央選挙管理会の確認を受けることができます。

  • 名称
  • 目的
  • 主たる事務所の所在地
  • 代表権を有する者の氏名及び住所
  • 解散の事由を定めたときは、その事由
  • 所属する衆議院議員又は参議院議員の氏名、住所及び衆議院の小選挙区選出議員若しくは比例代表選出議員又は参議院の比例代表選出議員若しくは選挙区選出議員の別並びに当該衆議院議員又は参議院議員が選出された選挙の期日
  • 上記で解説した②に該当する政党として届出をするものにあっては、直近において行われた総選挙における小選挙区選出議員の選挙若しくは比例代表選出議員の選挙又は直近において行われた通常選挙若しくは当該通常選挙の直近において行われた通常選挙の比例代表選出議員の選挙若しくは選挙区選出議員の選挙における当該政党の得票総数

必要書類

政党は、上記の届出事項に掲げる事項を届け出る場合には、次に掲げる文書を併せて提出しなければなりません。

  • 綱領その他の当該政党の目的、基本政策等を記載した文書
  • 党則、規約その他の当該政党の組織、管理運営等に関する事項を記載した文書
  • 当該政党に所属する衆議院議員又は参議院議員としてその氏名その他の前項第六号に掲げる事項を記載されることについての当該衆議院議員又は参議院議員の承諾書及び当該政党以外の政党に所属していないことを当該衆議院議員又は参議院議員が誓う旨の宣誓書

設立の登記

政党は、中央選挙管理会の確認を受けた日の翌日から起算して2週間以内に、その主たる事務所の所在地において、設立の登記をしなければなりません。

登記事項

政党の登記事項は以下のとおりです。これらが政党登記簿に登記されます。

  • 名称
  • 目的
  • 主たる事務所の所在場所
  • 代表権を有する者の氏名及び住所
  • 解散の事由を定めたときは、その事由

代表者は住所まで登記されます。

設立登記の申請

設立事項が決定したら、管轄の法務局に対して政党の登記を申請します。

設立登記にあたっては、登記申請書のほか、「中央選挙管理会の確認を受けたことを証する書面」などが必要となります。

登記の申請を司法書士へ委任する場合は「委任状」も必要です。

登記完了

登記が完了すると、政党は正式に「法人」として認められ、法人名義での権利行使(不動産の取得・賃貸借契約締結・銀行口座開設など)が可能になります。


登記後の扱い

法人格を取得した政党は、通常の法人と同様に登記義務を負います。

  • 本店所在地の管理
  • 代表者の変更登記
  • 移転や合併があった場合の登記
  • 解散時の清算手続きおよび登記

例えば、法人である政党等の代表者に変更が生じたときは、その日から2週間に変更登記を申請しなければなりません。そして、この登記を怠ると50万円以下の過料に処せられる可能性があります。

まとめ

  • 通常、政党は法人格を持たないが、政党交付金の交付を受ける政党は政党法人格付与法に基づき法人格を取得できる。
  • 法人格を得るためには、法務局に設立登記を行う必要がある。
  • 登記後は、一般法人と同様に変更登記や解散登記などの義務が発生する。

政党法人化により、財産の独立管理や契約の利便性が格段に向上しますが、併せて高度な法令遵守が求められる点に注意が必要です。

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