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合同会社は上場できる?合同会社がIPOを目指すなら

合同会社

起業する際、合同会社(LLC)を選ぶ方は年々増えています。設立費用が安く、運営の自由度も高いことから、特に小規模事業者やスタートアップの初期段階で選ばれることが多い形態です。
しかし、事業が成長し、いずれ上場を目指したいと考えたとき合同会社という形態はネックになるのでしょうか?

今回は、合同会社の上場に関して解説します。

そもそも上場とは?

株式上場とは、会社が発行した株式を証券取引所で一般の投資家へ売買できるようにするものです。

上場することで会社は自社の株式を多くの人に買ってもらえるようになり、資金を広く集めることができるようになります。また、「上場企業である」という点自体が一般の方々に対して大きくプラスのイメージになります。

その代わりに、会社は投資家や社会に対して、業績を定期的に公開するなどの義務を負うようになります。

結論:合同会社は上場できない

結論から言えば、合同会社は株式市場に上場することはできません。
上場(IPO:Initial Public Offering)とは、企業が株式を証券取引所で一般に公開し、不特定多数の投資家が株式を売買できるようにすることです。

一方で、合同会社は「持分」を交付する会社形態であり、株式会社ではないので株式を発行しません。
株式を発行できない以上は、上場の前提となる株式の公開という仕組み自体が存在しません。

そして、合同会社は、出資者=経営者という特徴を持つ会社形態です。
出資者は「社員(=出資メンバー)」と呼ばれ、出資比率に応じて利益を分配しますが、株式のような「譲渡可能な証券」は発行されません。

これに対して、株式会社は「株主が出資し、取締役が経営する」という分離構造を持ち、所有と経営が分離しているのが原則です(とはいっても、現実の株式会社の9割以上は所有と経営が一致している状況があります)。
そして、株式を自由に売買できるのが原則であるため、証券取引所での上場が可能になるのです。

したがって、合同会社では

  • そもそも株式が存在しない
  • 株主総会や株式譲渡制度がない
  • 公開のための会計・開示制度が整っていない

といったような理由から、上場制度に適合しません。

上場を目指す場合の現実的な方法は?

合同会社が将来的に上場を目指す場合、株式会社への組織変更を行うのが一般的な方法です。

日本の会社法では、合同会社から株式会社へ組織変更することが認められています。
この手続により、合同会社時代の資産・負債・契約関係などをそのまま引き継いだまま、株式会社として新たに登記できます。

組織変更

組織変更とは、持分会社⇔株式会社の変更手続きです。合同会社は持分会社の一つに含まれます。

法人各自体はそのままであるため、許認可を取得している場合や、取引先との契約面でメリットになります。

手続きの流れ(概要)

  1. 組織変更計画書の作成
  2. 社員全員の同意
  3. 債権者保護手続き
  4. 株主総会に代わる社員決議
  5. 組織変更登記

この手続を経て、晴れて「株式会社」となれば、上場の道も理論的には開かれます。

新しい株式会社を設立する

新しい株式会社を設立してIPOを目指す手もあります。

既存の合同会社についてはグループ会社として傘下にしたり、吸収合併して消滅させたりする方法もあります。

別法人であるため、許認可等は改めて取得しなければなりません。

合同会社のままでも大きく成長できる

上場はできないものの、合同会社のままでも事業拡大は十分可能です。
たとえば、ベンチャーキャピタルからの投資やM&Aによる事業拡大など、資金調達方法は上場だけではありません。

また、合同会社は意思決定が早く、経営の自由度が高いという利点があります。
そのため、経営スピードを重視するスタートアップや個人事業主が、あえて合同会社を維持するケースも少なくありません。

とはいえ、株式会社にして上場するか、合同会社のまま会社を大きくするかは、どちらも一長一短あるため、スムーズに進めるためには、専門家に相談することをおすすめします。
事業の将来像を踏まえ、専門家とともに最適な法人形態を一緒に検討していくことが大切です。

まとめ

項目合同会社株式会社
出資者社員=経営者株主
株式の発行なしあり
上場不可可能
設立費用(専門家報酬込み)約15万円〜約30万円〜
経営の柔軟性高い制約あり

合同会社は上場できませんが、株式会社へ組織変更すれば上場の道が開けます。
将来的に上場を視野に入れるなら、最初から株式会社を選ぶか、事業拡大の段階で組織変更を検討するのが現実的です。

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