※2025/8/27追記:この記事の内容は、投稿日時点のものです。2025年10月より経営管理ビザの要件が厳格化される見込みとなりましたので、本記事の内容から変更が生じる可能性があります。
近年、日本でビジネスを始めたいと考える外国人の方が増えています。国内でも、外国人が発起人や社員となる会社設立は増えています。しかし、「外国人である私でも会社を設立できるの?」「ビザの取得はどうするの?」「会社設立にどんな手続きが必要?」など、わからないことも多いのではないでしょうか。
今回は、外国人が日本で会社を設立するためのステップを、順を追って解説します。
日本語を学習する
日本人は、日常で日本語しか使用しない人がほとんどです。そのため、日本でビジネスを行うにあたっては、日本語の理解力は大きな武器になります。
- 役所での手続き
- 契約書や書類の確認
- 顧客や取引先とのコミュニケーション
- 法律や税金に関する説明の理解
これらはすべて、日本語がある程度できることでスムーズになります。
もちろん、通訳や専門家のサポートを受けることもできますが、基本的なビジネス日本語や読み書きができると、会社経営が格段にやりやすくなります。独学で勉強するのも手段の一つですが、インターネット上でのスクールを利用すること、日本語教室に通い、対面で日本語教師から習うのも選択肢としてあります。
📘おすすめ:地域の日本語教室やオンラインスクール、YouTubeなどで学習を始めてみましょう!
【参考】登録日本語教員とは?
「登録日本語教員」とは、日本の国家資格です。内容としては、日本語を母語としない人に対して日本語を教えるための資格となります。
2024年に「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」が施行され、この資格制度が導入されました。
今までは誰でも日本語教師になれるという状況でしたが、認定日本語教育機関においての日本語教師は、登録日本語教員でなければならないとされています。
在留資格(ビザ)の確認と取得
外国人が日本で会社を設立して事業を行う場合、「経営・管理」の在留資格を取得するのが一般的です。このビザは、日本で会社を経営したり、事業の管理を行う外国人のための在留資格です。
✅ 経営・管理ビザ取得の主な要件
会社設立をして経営・管理ビザを取得するためには、主に以下の条件を満たす必要があります。
- 事業所(オフィス)の確保
- 自宅兼事務所やバーチャルオフィスでは基本的にNG
- ⇒バーチャルオフィスでの事業ではビザが不許可となるため注意が必要です。
- ⇒生活環境しかない住宅では、事業所と認められないケースがあります。
- 不動産契約書、賃貸契約書などを提出
- ⇒短期賃貸借では認められないケースがあります。
- 自宅兼事務所やバーチャルオフィスでは基本的にNG
- 事業所が日本に存在すること
- 事業所は日本国内になければなりません。
- 資本金500万円以上又は2名以上の常勤職員が従事していること
- 会社設立にあたっては500万円以上の投資が求められます。
- この資本金は実際に事業の運転資金として使われる前提です。
- 1名では足りませんので注意が必要です。
在留資格にあたっては以下のような書類が必要です。
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 会社の登記簿謄本
- 定款のコピー
- 在留カード
- パスポートのコピー など
※提出書類は地域や個別事情によって異なる場合があります。詳しくは入国管理局に問い合わせるか、行政書士に相談してみるとよいでしょう。
💡 ポイント:ビザ取得のタイミングと注意点
- 会社設立前にビザは取得できません。
原則として「会社設立 → 必要書類を整備 → ビザ申請」という流れです。 - ビザ申請の審査には長くて1〜3か月程度かかることがあります。
- 不許可になるリスクもあるため、事前の準備が非常に重要です。
特に「オフィスの実在性」「事業の実現可能性」「出資金の正当性」がよくチェックされます。
🔧 サポートが必要な方へ
「何から始めればいいかわからない」「事業計画書をどう書けばいいかわからない」という方には、専門家によるビザ申請代行サービスがおすすめです。
当サイトにてお問い合わせいただいた際にも、会社設立の手続きだけでなく、行政書士へ引き継いでビザ申請書類の作成などのサポートも可能です。
会社設立をする
日本国内にて会社を設立するには、以下の手続きが必要です。
定款の作成と認証
会社を設立しようとする人が「発起人」となり、会社の基本ルールを定めた「定款(ていかん)」を作成します。
そして、株式会社を設立する場合は公証役場で定款の認証を受けます。
合同会社を設立する場合は定款認証は不要ですが、定款の作成自体は必要です。
株式会社の定款には以下のような内容を記載します。
- 目的
- 商号
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
- 発起人の氏名又は名称及び住所
- 発行可能株式総数 など
その他、取締役の員数や、事業年度なども定めます。
合同会社の定款については以下のような内容を記載します。
- 目的
- 商号
- 本店の所在地
- 社員の氏名又は名称及び住所
- 社員の全員が有限責任社員である旨
- 社員の出資の目的及びその価額又は評価の標準
合同会社においては、株式会社よりも定款で有効に定められる内容の自由度が高いため、慎重に作成する必要があります。
出資金の払込み
会社の資本金を、発起人(出資者)や代表者の個人口座に振り込みます。
設立時には、銀行の通帳コピーなどで資本金の払込証明を提出する必要があります。紙の通帳がなく、インターネットにて記帳される場合は、その画面を印刷したものを用意します。
登記申請(法務局へ)
会社設立の手続きは、法務局への登記申請で完了します。登記とは、国が管理している登記簿というものに、会社の情報を記録することです。
登記の申請にあたっては、以下のような書類を提出します。
- 登記申請書
- 定款(認証済のもの)
- 出資金の払込証明書
- 発起人の印鑑証明書または署名証明書(本国の大使館などが証明したもの)
- 役員の就任承諾書
- 委任状(司法書士への登記申請の委任) など
登録免許税も必要です。資本金の額の0.7%かかります。例えば資本金の額を3000万円とした場合、登録免許税額は21万円になります。
資本金の額を少なくしたとしても、株式会社の場合は最低15万円、合同会社は6万円はかかります。
税務署などへの届出
会社設立後、以下の役所にも必要な届出を行います。
- 税務署:法人設立届出書、青色申告の申請など
- 都道府県税事務所・市区町村役場:法人設立届出
- 年金事務所:社会保険の加入手続き(従業員を雇う場合)
個人事業主と比べ、会社の計算は難しいため、税理士を顧問としてつけるのが一般的です。
銀行口座の開設
法人としての銀行口座を開設するには、会社の登記簿謄本や印鑑証明書などが求められるのが一般的です。
外国人が代表者の場合、在留カードやパスポートなどの本人確認書類も求められます。
まとめ
外国人でも日本で会社を設立することは可能です。ただし、日本人が会社設立するのと比較し、在留資格の取得や資本金、オフィスの確保など、通常よりも準備が多いです。
外国人の方が日本国内において会社設立をする際は、専門家(司法書士・行政書士など)に相談するのがおすすめです。


