司法書士ライターのTです。
今回は経費削減を主として、電話機、パソコン、インターネット回線、プリンタなどはなく、スマートフォンだけで会社設立と事業を行うことができるのかについて記載していきます。
内容としては下記の例で解説します。
・株式会社を設立
・自宅で開業
・事業内容は自宅でできるもの
例:「アプリケーションソフトの開発」
「WEB制作」
「インターネットでの販売」
・事業はスマートフォンを使用して行う
まず前提として、作業するにあたりスマートフォンの性能による壁があります。スマートフォンではアプリを使用して作業することになりますが、性能が低いと思ったような動作をしないことがあります。
アップルのiPhoneシリーズは、この記事投稿時点で販売中の機種どれを選んでも比較的高性能なCPUが搭載されているため、動作は問題ないでしょう。ただし、画面の小さい「iPhoneSE」で作業するのは辛いでしょう。よってお使いのスマートフォンがiPhoneであればよほど古くない限り事業を行うにあたって性能面での支障はほとんどないでしょう。
GoogleのAndroidを搭載したスマートフォンにおいては、機種によって性能が大きく異なります。いわゆる「格安スマホ」ではCPUの性能が低く、思ったように動作しないでしょう。
一方で高性能なCPUを搭載したAndroid端末であれば、動作には全く問題ないでしょう。キーワードとしては、「Snapdragon 8 Gen 〇」です。Snapdragonとは、クアルコムが開発しているSoC(System on Chip)のことをいいます。例えば「Snapdragon 8 Gen 3」が搭載されていれば高性能モデルです。
他にもハイミドルクラスの「Snapdragon 7」シリーズやミドルレンジクラスの「Snapdragon 6」シリーズもあります。新しいモデルであれば「7」や「6」でも事業を行うにあたって性能面での支障はあまりないでしょう。
お使いの機種名でインターネット検索し、搭載されているSoCを調べてみるとよいでしょう。
※注意点として
・おおむね4年以上経過した比較的古い機種では性能が不足していることがあります。
・事業内容によっては通信容量、いわゆる「ギガ」が足りなくなることも考えられます。状況次第では携帯電話プランの見直しも必要です。
◆設立手続き
※ここではスマートフォンを利用して行うことになる手続きのみ抜粋しています。
①定款作成・公証人の認証
会社設立を行うにはまず発起人が定款を作成しなければなりません。この定款は通常であればパソコンで作成します。
スマートフォンにおいてもOfficeアプリはありますが、使い勝手はあまりよろしくありません。そのためスマートフォンだけで作成するのはかなり大変です。
定款を紙ベースで作成し、公証人の認証を受けることになります。コンビニ等で印刷し、4万円の収入印紙を貼付しなければなりません。
②資本金となる額の払い込み
株式会社においては、資本金となる額の払い込みが必要です。この払い込みは代表者個人の銀行口座へ行います。代表者個人とは、発起人や設立時代表取締役等をいいます。そして、払い込みをした内容が記帳された通帳のコピーをとります。
現在は紙の通帳がない銀行も増えており、その場合は、払い込みをしたことが判るスマートフォンの画面をプリントアウトします。
なお、この時点ではまだ会社名義の銀行口座は作成できません。会社は登記をすることによって成立しますから、この時点ではまだ実在しない会社であるためです。
③設立登記の申請
登記の申請書及び添付書面を用意する必要があります。
登記の申請書や添付書面はパソコンで作成するのが通常です。よって定款作成時と同じ難所が、また訪れます。
添付書面としては「発起人の全員の同意を証する書面」「払込みがあったことを証する書面」「就任承諾書」「印鑑証明書」などを作成する必要があります。
出資の際に金銭以外の出資をした場合「資本金の額の計上証明書」や、検査役調査がいらない場合には「調査報告書等」などを作成しなければなりません。
登記の申請書においても登記の事由や登記すべき事項、登録免許税額、添付書面の一覧などを記載します。登録免許税としては、原則として最低でも15万円かかります。
そして法務局へ登記を申請し、登記が完了すれば事業を行うことが可能となります。
実際のところ、これらの書面をパソコンなしで行うのはかなり困難ですから、設立手続きは司法書士へ依頼したほうがよいでしょう。追加でパソコンなどを購入するよりも安く済む場合がほとんどでしょう。
参考⇒【会社設立】会社設立を司法書士へ依頼するメリットについて解説-費用は自身で行う場合と大差ないケースも多い
◆設立後について
①法人名義の銀行口座開設
設立手続きが完了した後は会社名義の銀行口座開設を行うことができます。
②顧問となる税理士との契約
会社の決算を個人で行うのは極めて難しいです。1人会社であっても税理士と顧問契約を締結するのが一般的です。
③ホームページの作成
事業を行うにあたっては、ホームページを作成しておくことをお勧めします。ホームページで積極的な営業活動を行わない場合でも同様です。
消費者は、信頼できる販売先かどうかを確認するために、会社名で検索をすることがあります。この時にホームページがあると信頼性が上昇します。
ホームページはスマートフォンでも作成可能です。当事務所で利用しているソフトもスマートフォンで作成は可能で、ホームページや記事の修正などはスマートフォンからも行っています。
④事業についての法令
アプリケーション開発やWEB制作などは、特に届け出はなく行うことができます。
一方でインターネットでの販売においては特定商取引に関する法律などの法律が適用されることがあります。インターネットショップを閲覧している際、よく「特定商取引法に基づく表記」というものを目にしますが、それが該当します。
売買契約など各種契約に関しての法律は、当然ですがインターネット上での取引でも適用されます。インターネット上での取引でありお互いの顔は見えません。よって、消費者に取引を行う意思があるかを確認する方法は執っておいたほうがよいでしょう。
例としては、ホームページで受注する場合は、契約意思に間違いがないかを確認させるチェックボックスを設けるなどです。
また、販売を行う場合、その販売する物によっては許可等が必要な場合があります。例えば食品を販売する場合は食品衛生法に基づく営業許可が必要な場合があり、化粧品については化粧品製造販売業許可を受けなければなりません。このように許可が必要な場合があるため、取り扱い品目に注意しましょう。
WEB制作を行う場合は下請法などの法令に注意が必要です。
参考⇒【下請法】WEB制作を行う個人事業者が、会社設立をして事業を行うにあたって
スマートフォンで起業するのであれば、このような下請けの事業者に作成を委任するケースもあるでしょう。会社の規模にもよりますが、WEB制作事業者を下請けとする場合には下請法に注意が必要となります。
◆注意点について
顔の見えない相手と取引を行うことになりますから、トラブルに注意が必要です。
取引先などのやり取りは、携帯電話番号で行うことになりますが、会社の電話番号が携帯電話番号だと信頼性が下がることもあります。
◆まとめ
スマートフォンの性能や携帯電話プランに注意
設立登記手続きをスマホだけで完結するのはかなり困難
特定商取引法や下請法、その他許可等の法令に注意
今回は以上となります。
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