司法書士ライターのTです。
会社設立にあたっては、司法書士へ依頼せずご自身で定款作成や登記申請を行おうと考えている事業主の方も多いと思います。しかし、自身で行うメリットとしては、司法書士に払う数万円が浮く程度で、それ以外のメリットは特にありません。
今回は、会社設立を司法書士へ依頼するメリットについて解説していきます。
①会社設立手続きのサポートを得られる
定款作成及び公証人の認証、出資の払込み、設立登記…。手続きは多数あり、これらを設立者自らがサポートなしですべて行うのはとても大変です。
特に定款の作成や登記申請は難易度も高く、専門家の関与がないと思ったようにならない場合があります。
たとえば、株式会社で定款に「株式の譲渡制限」の規定がないとどうなるのか?といった点です。これがないと取締役会が必置になり取締役が3人以上必要となります。
会社を設立する際の根拠法律である会社法は極めて難解なため、サポートなしで行うことにはリスクが伴うといってもよいでしょう。司法書士に依頼しておくことで、会社法の知識がなくても問題なく会社設立ができます。
②必要な書類を用意する時間と手間を省くことができる
司法書士に依頼することで、時間や手間を削減することができます。
会社設立にあたっては、時間は無料ではないといわれます。定款作成や登記申請書を自身で行った場合に、丸1日作成作業を行い10日かかったとします。そして1日で得られたであろう利益が10,000円とすると、設立登記の申請に100,000円かかったことになります。そして、司法書士費用はこれと同じか安い場合が多いです。
自身で行った結果、かえって多くの費用がかかったといえることになります。
③定款の印紙代が不要
会社を設立する場合において、その定款には印紙の貼付が必要です。印紙代は40,000円かかります。ただし電子定款で作成した場合は印紙代がかかりません。
司法書士は電子定款を作成することができるため、この40,000円がかからないことになります。この、司法書士に依頼すると定款に貼付する印紙代が不要という事実が意外と知られていません。
上記②に書いた設立にかける時間のことを考慮すると、司法書士に依頼したほうがトータル7万円分以上も安く済んだともいえるでしょう。
④税理士など他士業への橋渡しをしてもらえる
会社の会計は難しいため税理士を顧問としてつけるのが一般的です。司法書士に設立手続きを依頼しておけば、顧問税理士が決まっていない場合に橋渡しをしてもらえます。
また、会社で従業員を雇用する場合、社会保険労務士を顧問とするのが一般的です。司法書士に依頼しておくことで、社会保険労務士への橋渡しも可能です。
さらには、建設業や宅地建物取引業、旅館、人材派遣業などの許認可等が必要な場合、これらの許認可申請手続きの代理は行政書士(人材派遣業は社会保険労務士)が行います。この場合において、行政書士等への橋渡しも可能です。
司法書士に依頼せずに自身で会社設立の登記まで行うのは、費用削減のためであることがほとんどでしょう。しかし、上記のように実は司法書士に依頼したほうが実質的に安いというケースがあります。
そして、定款の作成や登記申請を行うのは難易度が高いです。普通であればおくはずの規定が定款にない、登記が間違っているなどのリスクもあります。
なお、間違って登記された場合に更正登記という制度があります。更正登記をすると間違った登記を抹消する記号として下線が引かれ、正しい登記が記録されます。
登記簿では間違った登記に下線が引かれるだけですので、その間違った登記も記載としては残り続け、登記簿の見映えが悪くなってしまいます。
◆まとめ
自身で会社設立登記の申請を行うメリットはあまりない
司法書士に依頼するのとしないのとでかかる総額費用の差額は数万円程度
司法書士へ依頼したほうが実質的に安く済むケースも多い
今回は以上となります。
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