当ブログでは、多彩なジャンルの記事を投稿しています。

【下請法】WEB制作を行う個人事業者が、会社設立をして事業を行うにあたって

商業登記

 司法書士ライターのTです。

 WEB制作の事業者は、会社のほか、個人として事業を行っている事業者も多いです。そして個人事業主が業務拡大等の理由により、会社設立を行うケースも多いです。

 そこで今回は、WEB制作を行う事業者が事業を行うにあたり、会社又は法人を設立する場合のメリットやデメリット、下請法のことについて解説していきます。

◆会社設立のメリット

 ①:個人事業主よりも信頼性が上がる

 WEB制作業に限らず、一般的に個人事業主よりも会社である事業者の方が信頼性が上がります。仮に同じ事業を行っている個人の事業者と、会社である事業者がいたとします。依頼を行うことになった際にどちらを選択するでしょうか。多くの方は会社である事業者を選択すると思います。このように、会社や法人の方が信頼を得やすいです。

 ②:会社名義で活動が可能

 個人事業主であれば、個人名又は屋号で活動を行うことになりますが、会社であれば会社名義で活動を行うことができます。「株式会社〇〇」や「合同会社〇〇」といった名義で活動することにより、信頼性の上昇にもつながります。

 ③:事業年度を変更することが可能

 個人事業主の事業年度は、1月1日~12月31日と定められています。一方で会社においては定款で事業年度を変更することができます。

 ④:資金調達

 ①とつながる内容となりますが、個人事業主よりも会社の方が信頼性が高いため、資金調達もしやすくなります。また、株式会社であれば、株式や社債を発行することによる資金調達を行うことができます。また、持分会社(合同会社等)も社債を発行することにより資金調達ができます。

※WEB制作業を行うにあたり利用できる、会社以外の法人

 ・労働者協同組合

  労働者協同組合とは、組合の構成員自らが労働者となる法人です。

 ⇒労働者協同組合とは?どのような組合なのかを解説

  労働者協同組合の事業内容には基本的に制限がないため、WEB制作の向け先となる業界によっては設立の検討が可能です。

◆会社設立のデメリット

 ①:設立費用がかかる・経費が上がる

 会社設立にあたっては、設立の準備費用、設立登記の登録免許税、株式会社においては定款の認証料、司法書士への報酬などの費用がかかります。

 司法書士へ設立手続きを依頼しない場合は、司法書士報酬の代わりに定款に貼る印紙代が4万円かかります。

 これらをすべて合わせると、株式会社の場合は30万円弱、合同会社においても約10~15万円はかかるでしょう。

 なお、新規事業者等であれば、設立登記の登録免許税額が減税となる措置を利用できる場合があります。

 参照記事⇒【特定創業支援等事業】北九州市で会社設立をするメリットについて解説

 ②:事業を終了した場合、解散や清算手続きが必要となる

 個人であれば辞めたいときに辞めるといったことも可能ですが、会社を設立した場合は、財産や負債を0にしないと辞めることができません。

 解散にあたっては株主総会や社員総会の決議などでその旨を決定し、清算人が清算手続きを行います。

 2か月以上の債権申出の公告が必要となり、手続きに手間が発生します。この公告は官報に掲載してしますが、掲載料としておおむね3~4万円程度の費用がかかります。また、解散したときはその旨と、清算人の登記、さらには清算結了の登記まで申請しなければなりません。つまり、費用もかかります。

◆会社設立すべきかどうか

 事業を大きくしたい、売り上げをもっと上げたいという場合であれば、会社を設立するのがおすすめです。一方で、自分のペースでやりたい、下請けとして制作を行うという場合であれば、会社を設立しなくても十分でしょう。

◆下請代金支払遅延等防止法(下請法)について

 WEB制作の場合、会社を設立することにより、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の親事業者に該当しうることになるため、注意が必要となります。

 WEB制作事業において親事業者とは、下記が当たります。

 ①資本金の額又は出資の総額が3億円を超える法人たる事業者であって、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が3億円以下の法人たる事業者に対しWEB制作の委託をするもの
 ②資本金の額又は出資の総額が1,000万円を超え3億円以下の法人たる事業者であって、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が千万円以下の法人たる事業者に対しWEB制作の委託をするもの
 ③資本金の額又は出資の総額が5,000万円を超える法人たる事業者であって、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が5,000万円以下の法人たる事業者に対しWEB制作委託をするもの
 ④資本金の額又は出資の総額が1,000万円を超え5,000万円以下の法人たる事業者でたって、個人又は資本金の額若しくは出資の総額が1,000万円以下の法人たる事業者に対しWEB制作委託をするもの

 会社は「法人たる事業者」にあたります。よって、資本金等の額が1000万円を超える場合、親事業者となりうることになります。

 そして、下請法の適用を受ける場合、親事業者は、下請事業者に対しWEB制作等の委託をした場合は、直ちに、公正取引委員会規則で定めるところにより下請事業者の給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を記載した書面を下請事業者に交付しなければなりません(下請法3条1項前段参照)。

 この書面を交付しなかった場合、その違反行為をした親事業者の代表者、代理人、使用人その他の従業者は、50万円以下の罰金に処せられる場合があります(下請法10条1号)。

 また、下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して、60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければなりません(下請法2条の2 1項)。

 その他、親事業者の遵守事項(下請法4条)として、例えば下請事業者の責に帰すべき理由がないのに、下請事業者の給付の受領を拒むことなどをしてはならないとされています。

 これは、例えば「ホームページの制作を委託したが、お客様からの評価が芳しくないから報酬は支払わない」といったことをしてはならないということです。

 これ以外にもさまざまな規定があり、下請法の適用となる会社の場合、WEB制作を委託する場合は常に注意をしなければならなくなります。

◆まとめ

個人よりも会社の方が信頼性が高い

会社設立によって、経費は増える

会社を設立すると、下請法の親事業者に該当しうる

 今回は以上となります。

このようなご相談に対応しております。

・相続に関する専門的な記事を作成してほしい

・ブログに記事を提供してほしい

・インターネット広告用バナーを作成してほしい

・相続や会社法人のことについて司法書士に相談したい

司法書士ランキング
にほんブログ村 士業ブログ 司法書士へ

タイトルとURLをコピーしました