学校法人とは、私立学校法により設立される法人で、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校の設置を目的として設立されます。一方で私立学校法152条5項の規定により、専修学校又は各種学校の設置のみを目的とする法人を設立することができます。これを準学校法人と呼んでいます。
※令和7年4月1日に私立学校法は大規模な改正が施行されました。準学校法人の根拠規定はこれまで私立学校法64条4項でしたが、改正により私立学校法152条5項となりました。
今回は、この準学校法人について解説していきます。
準学校法人とは
準学校法人とは、専修学校や各種学校の設置を目的とする法人です。正式な学校法人とは異なりますが、学校法人の規定及び大臣所轄学校法人等の特例に関する規定が適用又は準用されます。これにより教育機関としての役割を果たすことができます。
なお、本記事前文にも記載した通り、私立学校法は大きく改正されました。この改正の趣旨としては、
「我が国の公教育を支える私立学校が、社会の信頼を得て、一層発展していくため、社会の要請に応え得る実効性のあるガバナンス改革を推進するための制度改正を行うこと」
「幅広い関係者の意見の反映、逸脱した業務執行の防止を図るため、理事、監事、評議員及び会計監査人の資格、選任及び解任の手続等並びに理事会及び評議員会の職務及び運営等の学校法人の管理運営制度に関する規定や、理事等の特別背任罪等の罰則について定めること」
と発表されています。
この趣旨は準学校法人にも当てはまり、多くの規定が準学校法人にも適用されることになります。そのため、準学校法人においても理事や監事などの機関設計はきちんと行わなければなりません。
また、罰則規定もあり、例えば準学校法人の役員が準学校法人に対し財産上の損害を加えたときは、7年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処せられ、又はこれを併科されることがあります。運営においてはきちんとコンプライアンスを意識して行わなければなりません。
専修学校とは?
専修学校とは、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的として組織的な教育を行うことを目的とする学校をいいます。一般的に「専門学校」と呼ばれる学校が多いです。
各種学校とは?
幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校以外のもので、学校教育に類する教育を行うものをいいます。代表的なものでは予備校や看護学校などが該当します。
準学校法人の特徴
- 法人格の取得
準学校法人は、専修学校や各種学校を設置するために設立される法人です。準学校法人としての認可を受けるには厳しい要件がありますが、その分、高い信用を誇ります。 - 設置可能な学校
準学校法人は、専修学校と各種学校の設置を目的としており、高等教育機関としての役割を担うことができます。一方で大学や高等学校など、専修学校または各種学校に該当しない学校の設置は準学校法人には該当しません。 - 運営の柔軟性
学校法人に比べると運営の自由度が高く、教育機関の設置や運営方法について柔軟な対応が可能です。 - 教育機関としての認知
法的には学校法人ではありませんが、専修学校や各種学校を設置することで、一定の公的な認知を得ることができます。 - 学校法人への組織変更
学校法人及び準学校法人は、寄附行為をもって定めるところにより、準学校法人及び学校法人となるために必要な事項を寄附行為に定め、所轄庁の認可を受けることにより、それぞれ準学校法人及び学校法人となることができる。つまり、学校法人⇔準学校法人 の組織変更がそれぞれ認められるということです。
準学校法人の設立手続き
準学校法人は学校法人の規定が適用または準用されるため、おおむね学校法人の設立と同じ流れとなります。
- 設立計画の策定
・設立の目的や事業計画を明確にします。
・専修学校や各種学校の設置計画を立案します。 - 寄附行為の作成
・少なくとも私立学校法23条に定める事項を設け、法人の目的、運営方法、資産管理などを明記します。
・学校の設置・運営に関する基本方針を定めます。 - 所轄庁の認可
・準学校法人を設立しようとする者は、その設立を目的とする寄附行為をもって一定の事項を定め、文部科学省令で定める手続に従い、当該寄附行為について所轄庁の認可を受けなければなりません。
・準学校法人としての認可を目指す場合は、厳しい基準を満たす必要があります。 - 登記申請
・法務局に必要書類を提出し、法人登記を行います。
・登記をもって、法人格を取得します。 - 学校の開設準備
・校舎や設備の確保
・教育カリキュラムの策定
・教職員の採用と運営体制の確立など - 自治体や関係機関への届出
・専修学校や各種学校を設置する場合は、都道府県知事への認可申請が必要となります。
準学校法人の正式な法人名は「私立学校法第百五十二条第五項の法人」といい、「学校法人」ではありません。しかし、例外的に名称に「学校法人」という文字を含むことはできます。これにより、名称だけでは学校法人なのか準学校法人なのかの区別は困難です。
また、準学校法人は一般財団法人等とも別の種類の法人です。
まとめ
令和7年4月1日の私立学校法改正により、学校法人だけでなく準学校法人も大きく変化しました。
準学校法人は、専修学校や各種学校を設置するための法人形態であり、教育機関としての重要な役割を担います。法律上は正式な「学校法人」ではないものの、学校法人に準ずるものとして教育活動を行うことが可能です。
教育事業を検討している方は、設立の難易度は高いですが専修学校などの設立を選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。


