司法書士ライターのTです。
今回は、監査等委員会設置会社について解説していきます。
監査等委員会設置会社とは、監査等委員会をおく株式会社のことをいいます。
かつてよりある指名委員会等設置会社では、代表者(社長など)の代表権や報酬決定権をはく奪し、指名委員会や報酬委員会が行うこととなっていたため、代表者から嫌厭されていました。また、指名委員会、監査委員会、報酬委員会が必要となり、各委員会兼任は可能であるものの過半数は外部から採用が必要であり、機関もガチガチで自由度が低いです。このように日本の会社とは相性が悪く、あまり普及しませんでした。
また、監査役会設置会社においては、監査役の立場が取締役より弱いことから、監査役会の立場も弱くなってしまい、取締役(取締役会)との癒着や言いなりになってしまうケースもありました。
一方で監査等委員会設置会社では、代表者の代表権などはそのままであり、機関も指名委員会等設置会社よりは自由です。
また、監査等委員会設置会社に監査役は設置されないため、監査役の立場は取締役が担うことになり、言いなりになってしまったりすることはありません。監査役会とは異なり、監査等委員会は取締役会の中に構成されるのがポイントです。
このように指名委員会等設置会社や監査役会設置会社における問題点を取り除いたものが監査等委員会設置会社といえ、こちらは大規模な会社で比較的普及が進んでいます。
監査等委員会の職務は下記のとおりです。
①取締役(会計参与設置会社にあっては、取締役及び会計参与)の職務の執行の監査及び監査報告の作成
②株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容の決定、
③株主総会において下記についての意見の決定
・「監査等委員である取締役以外の取締役」の選任若しくは解任又は辞任についての意見
・「監査等委員である取締役以外の取締役」の報酬等についての意見
監査等委員会設置会社の取締役には、「監査等委員である取締役」と「監査等委員である取締役以外の取締役」の2通りがいます。そして、これらは区別して選任などをされます。
監査等委員会が選定する監査等委員にはさらに権限が与えられています。
例えば、株主総会における、「監査等委員である取締役以外の取締役」の報酬等について監査等委員会の意見を述べること、招集権者の定めがある場合であっても、取締役会を招集することができるなどがあります。
監査等委員会設置会社においては、取締役が取締役を監査するようなイメージです。そして、「監査等委員である取締役」は、法律上の立場が強くなっています。
●任期について
「監査等委員である取締役」の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされています。定款で任期を短縮することはできません。
「監査等委員である取締役以外の取締役」の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされています。
●代表取締役の選任について
監査等委員会設置会社において、代表取締役は「監査等委員である取締役以外の取締役」から選任されます。
監査等委員会設置会社においては「監査等委員である取締役」が強いですから、弱いほうの「監査等委員である取締役以外の取締役」から代表取締役は選任されるといったイメージです。
●登記について
「監査等委員である取締役」と「監査等委員である取締役以外の取締役」は、登記記録からも区別できるように登記されます。
重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定めがある場合、その定めも登記されます。「重要な業務執行の決定の取締役への委任」とは、例えば支店の設置を行う場合に、その決定を取締役に委任することです。
●監査等委員会設置会社に与えられるメリット
本来、取締役が利益相反の取引を行ったことによって株式会社に損害が生じたときは、その任務を怠ったものと推定されます。これを任務懈怠といいます。
しかし監査等委員会設置会社においては、「監査等委員である取締役以外の取締役」が当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、任務懈怠とは扱われなくなります。代表者(社長など)は「監査等委員である取締役以外の取締役」であるため、仮に利益相反取引を行ったとしても任務懈怠とはならなくなる場合があるということです。
今回は以上となります。
このようなご相談に対応しております。
・相続に関する専門的な記事を作成してほしい
・ブログに記事を提供してほしい
・インターネット広告用バナーを作成してほしい
・相続や会社法人のことについて司法書士に相談したい


