個人事業主として事業を行っている方の中には、「法人化して合同会社を作った方がよいのでは」と考える方も多いと思います。合同会社は一人でも設立でき、株式会社よりも初期費用が安いのがポイントです。そのため、フリーランスや小規模事業者の方から人気があります。
ここでは、1人合同会社を設立するメリットについて解説していきます。
※本記事では合同会社のデメリットについては解説をしていません。合同会社にはデメリットもあるため、設立を検討されている方は司法書士等に相談することをお勧めします。
合同会社(LLC)とは?
合同会社(LLC)とは、持分会社の種類の一つにあたり、持分会社とは出資の対価として「持分」を交付する会社をいいます。
持分会社のうち、社員の全員が有限責任社員である会社が合同会社です。有限責任社員は、個人としては出資の限度までしか債務の弁済等をする責任を負いません。
なお、「社員」とは株式会社でいう「株主」に相当します。
1人合同会社(LLC)を設立するメリット
合同会社合同会社は、持分会社の一つにあたり、出資の対価として「持分」を交付する会社をいいます。そして、社員の全員が出資者が出資の限度までしか債務の弁済などの責任を負わない、有限責任社員である会社です。社員とは、株式会社でいう「株主」に相当しします。
有限責任でリスクを限定できる
個人事業の場合、事業で負った借金や債務はすべて個人が無制限に責任を負います。これに対し、合同会社を設立すれば出資金の範囲でしか責任を負わない「有限責任」となります。事業に失敗しても、原則として個人の財産まですべて失うことはなく、リスクを大幅に限定できるのです。
ただし、実際のところ融資を受ける際に金融機関から代表社員個人が連帯保証人になるよう求められることが多く、事実上は「有限責任」と限らない点に注意しましょう。
法人格による信用力の向上
法人化することで、会社名義で契約を結んだり、銀行口座を開設したりできるようになります。取引先によっては「法人格を持っていること」を条件とする場合もあり、1人合同会社であっても社会的な信用力が高まるのは大きなメリットです。特にフリーランスが大手企業と取引する際に有利になります。
設立コストが株式会社より安い
合同会社が選択される理由の多くは設立コストの安さです。
株式会社と比べて設立コストが低く済みます。
- 定款の認証費用(最大5万円)が不要
- 登録免許税が6万円と安い
つまり、最小限の費用で法人化できるため、1人で事業を始める方にも向いています。
| 項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 定款認証費用 | 0円(定款認証不要) | 約5万2,000円 |
| 印紙代 | 0円(定款認証不要) | 4万円 |
| 登録免許税 | 最低6万円 | 最低15万円 |
| 司法書士報酬 | 約10万円~ | 約10万円~ |
| その他(印鑑証明書、謄本等) | 数千円 | 数千円 |
手続費用、司法書士報酬、その他諸費用すべてを合わせて、合同会社はおおむね18万円前後、株式会社は35万円前後を見込んでおくとよいでしょう。実際の額は資本金の額によっても変わるため、司法書士に問い合わせしてみましょう。
司法書士に依頼すると電子定款で作成するため、株式会社であっても「印紙代」はかかりません。
役員任期がなく手続きが簡単
株式会社の場合、役員の任期が原則2年(公開化していない会社は最大10年)と定められており、そのたびに登記をし直さなければなりません。1人株式会社であり自身が取締役として再任する場合も登記が必要です。そして、選任を怠ると「選任懈怠」に、役員変更登記を怠ると「登記懈怠」になります。「登記懈怠」は過料の制裁もあります。
それに対し、合同会社には社員の任期の制限がありません。一度設立すれば長期間にわたって変更登記の手間がかからない点も、1人事業主には大きなメリットです。
節税効果を期待できる
合同会社を設立すれば、役員報酬を経費にできたり、社会保険の適用があったりと、個人事業主にはない節税の選択肢が広がります。事業の規模が大きくなればなるほど、法人化による節税メリットを享受しやすくなります。
まとめ
1人合同会社は、
- リスクを有限責任に限定できる
- 信用力が高まる
- 設立費用が安い
- 手続きが簡単
- 利益配分の自由度が高い
- 節税効果も期待できる
といったメリットがあります。特に個人事業主やフリーランスにとっては、低コストで法人化できる制度として非常に魅力的です。
ただし、法人化により会計処理や税務申告の複雑さが増す点には注意が必要です。1人合同会社を検討している方は、司法書士や税理士に相談のうえ、自分の事業にとって最適な形を選ぶと安心です。


