福岡の司法書士Tです。
特定非営利活動法人(以下、NPO法人といいます)を設立する際には、「特定非営利活動」として認められる20つの活動分野の中から、法人の目的に合ったものを選ぶ必要があります。その20分野の中の一つに 「男女共同参画社会の形成の促進を図る活動」というものがあります。
今回は、この活動の具体的な内容や背景、どのようなNPO法人が該当するのかについて解説します。
男女共同参画社会とは?
日本国憲法第14条1項において、すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないとされており、いかなる差別も許されません。
しかし、女性だけ定年年齢を下げる、といったような実質的に差別ともとれる行為が実際に行われているケースが見られました。
そこで、男女が平等に活動できる社会を実現できるよう、男女共同参画社会基本法という法律が制定されるにいたりました。
男女共同参画社会とは、男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会をいいます。
分かりやすく言うと、性別に関係なく、誰もが対等な立場で社会のあらゆる分野に参画し、個性や能力を十分に発揮できる社会を指します。
「女性は管理職になれない」、「男性は育児休暇をとれない」といったようなことは対等とはいえず、本来あるべきではありません。
この考え方に基づき、特定非営利活動促進法(NPO法)においても、男女共同参画の推進を目的とする活動が特定非営利活動として認められています。
男女共同参画社会の形成の促進を図る活動の内容
男女共同参画社会の形成の促進を図るNPO法人の活動について、例えば以下のような活動は男女共同参画社会の形成の促進を図る活動であると認められる可能性があります。
・女性の社会進出支援
働く女性のキャリア支援、就労支援
育児・介護と仕事の両立支援
女性起業家支援(セミナー・相談会の開催)
・男女の役割に関する意識改革
男女平等に関する講演会・ワークショップの開催
学校や地域でのジェンダー教育の推進
男性の育児・家事参加を促進する活動
・DVやハラスメント防止活動
女性やLGBTQ+の相談窓口の運営
配偶者やパートナーからの暴力(DV)防止活動
職場や学校でのセクシュアルハラスメント対策
これらの行為が女性から男性へ行われるケースにおいて、その防止や対策等
・政治や経済分野への女性の参画促進
女性の政治参画(立候補・選挙活動)の支援
企業の管理職への女性登用を促す取り組み
女性のエンパワーメントに関する情報発信
・地域や家庭での男女共同参画の推進
地域活動への女性の参画促進
父親向けの育児支援プログラム
男性の育児休暇取得支援
多様な家族のあり方を尊重する活動
NPO法人を設立する際のポイント
まず、NPO法人を設立するには、定款を作成し、所轄庁(都道府県または指定都市)の認証を受け、設立の登記をすることによって法人が成立します。
そしてNPO法人の設立には設立者が10人以上必要となります。設立にあたって出資することも認められていませんので、株式会社とは異なり資本金はありません。
また、男女共同参画社会の形成の促進を図る活動を行うNPO法人を設立する際は、所轄庁の認証を受けて活動を行う以上、十分な計画をもって行う必要があります。
活動目的を明確にする
どの分野で、どのような課題を解決したいのかなど
対象者を特定する
女性、男性、LGBTQ+など、どの層を支援するのかなど
具体的な事業計画を立てる
講座の開催、相談窓口の設置、情報発信など
資金調達の方法を考える
助成金、寄付、会費収入など
なお、NPO法に定める活動分野とはいえないような内容を活動内容としていたり、認証を受ける際の書面に不備がある場合などは所轄庁の認証を受けられません。
まとめ
NPO法における「男女共同参画社会の形成の促進を図る活動」とは、性別に関係なく誰もが活躍できる社会を目指す取り組みです。女性の社会進出支援、ジェンダー意識の啓発、DV防止、LGBTQ+支援など、幅広い分野での活動が含まれます。
NPO法人を設立する際は、活動目的を明確にし、社会にどのような貢献ができるのかを考えながら、計画的に進めることが重要です。


