区分所有建物(マンション)において、管理組合を法人化して管理組合法人を設立している場合、理事長や理事、監事といった役員は任期があり、定期的に変更が必要です。そして、理事長などの管理組合法人を代表する理事については、法務局で役員変更登記を行う必要があります。
今回は、管理組合法人の役員変更登記について、実務上のポイントを交えながら詳しく解説します。
管理組合法人とは?
管理組合法人とは、管理組合を法人化したものです。
管理組合とは、マンションの管理を行う区分所有法上の団体、又は管理組合法人のことをいいます。主なものとしては、マンションの住民の団体をいいます。分譲マンションには住民たちの団体があり、それが管理組合というものです。
マンションの管理組合は、通常、区分所有者(マンションの各部屋の所有者)が構成員となる団体ですが、これを法人化することで「管理組合法人」となり、法律上の権利義務を持つ法人として活動できるようになります。
管理組合法人において役員変更登記が必要な場合は?
理事長など管理組合を代表する理事について、以下のような場合には、登記が必要になります
- 新たに就任した場合
- 任期満了による退任
- 任期満了による再任
- 再任されて同じ人が理事になる場合も登記の申請が必要です。
- 死亡・辞任・解任による変更
理事の任期は2年です。ただし、規約で3年以内の期間を定めたときは、その期間となります。つまり最短で2年、最長で3年です。
役員変更登記は、変更があった日から2週間以内に申請しなければなりません。
管理組合法人を代表しない理事や、監事は登記されませんので、変更があっても登記の申請は不要です。登記されるのは管理組合法人を代表する理事のみです。
管理組合法人の役員変更登記の申請に必要な書類
必要書類
登記手続きの際には、以下の書類を法務局に提出します。
登記申請書
記載内容は「管理組合法人変更登記申請書」とし、変更登記を申請する旨を明示します。
登記の事由は「理事の変更」とし、就任する場合はその年月日と理事の資格、住所と氏名を記載し、退任する場合は「年月日辞任」というように記載します。
集会の議事録
役員の選任決議を証する書類となります。
規約に理事の互選の定めがある場合、互選を証する書面と規約も添付する必要があります。
就任承諾書
新しく就任し、登記される役員全員分が必要です。
なお、集会の議事録に「席上、就任を承諾した」というような記載がある場合、集会の議事録の記載を援用することができ、その場合は就任承諾書を別途添付する必要はありません。
印鑑証明書
登記所(法務局)に印鑑を提出している理事が集会の議事録に押印し、その印鑑について印鑑証明書が必要となります。
退任を証する書面
退任する理事がいる場合、辞任届や死亡届など、退任を証する書面を添付する必要があります。
委任状
登記の申請を司法書士に依頼する場合、添付する必要があります。
これらの書類の多くは、司法書士に役員変更登記を依頼すると司法書士が準備してくれます。ただし、規約や印鑑証明書といった書類は依頼者側で準備が必要です。
登記申請の流れ
- 役員の選任:集会(総会)や理事の互選などで選任します。
- 必要書類の収集:印鑑証明書や規約は準備が必要です。
- 登記申請書の作成:司法書士に丸投げOKです。
- 法務局へ登記申請:こちらも司法書士が行ってくれます。
- 完了書類の受領:登記が完了すると、登記簿謄本などが司法書士から送られてきます。
管理組合法人の役員変更登記の費用について
管理組合法人においては、登記申請の際に登録免許税はかかりません。
費用としては、司法書士報酬(2~4万円程度)と、印鑑証明書などの書類取得にかかる費用のみとなります。
登記を怠った場合のリスク
役員変更登記を怠ると、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 登記懈怠として、法務局から20万円以下の過料の制裁を受ける可能性
- 管理組合法人においては、選任懈怠についても20万円以下の過料の制裁があるため注意
- 選任懈怠:理事若しくは監事が欠けた場合又は規約で定めたその員数が欠けた場合において、その選任手続を怠ったとき。
- 金融機関等から代表権の確認が取れず、取引に支障が出ることも
- 現実の役員と登記情報が一致せず、トラブルの原因になることも
まとめ
管理組合法人の役員変更登記は、会社や他の法人と比べて若干特殊な面もあります。
登記の遅れや書類不備があると、手続きがスムーズに進まないため、注意が必要です。
登記懈怠や選任懈怠については過料を受ける可能性があるため注意が必要です。
役員変更登記を司法書士に依頼すれば、書類作成から登記申請まで一括して任せることができ安心です。


