2022年に施行された「労働者協同組合法」により、地域や社会に貢献する新たな働き方として「労働者協同組合(ワーカーズコープ)」が法人として認められるようになりました。
そして、労働者協同組合においても公告の方法は重要な定めとなります。
今回は、労働者協同組合の公告方法と、その変更手続きについて詳しく解説します。
労働者協同組合の公告方法について
公告とは
公告とは、一定の重要事項を第三者に周知するための制度です。主に、決算内容の開示や債権者保護手続きなどに用いられます。
「広告」とは、組合が行っているサービス等を広く知らしめるものに対し、「公告」とは、法律の規定に基づいて特定の事項を広く知らしめることです。
公告の方法
労働者協同組合の公告方法については、次の方法を定めることができます。
- 組合の事務所の店頭に掲示する方法
- 官報に掲載する方法
- 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
- 電子公告
労働者協同組合においては、定款で上記の中から公告方法を定めなければなりません。株式会社では定款に定めを置かないことができます(その場合の公告方法は官報に掲載する方法となる)が、労働者協同組合ではこのような取り扱いはされません。
公告の方法の変更
労働者協同組合が公告の方法を変更するには、その定款の変更をしなければなりません。
そして、組合の定款の変更は、総会の議決を経なければなりません。
この総会は、総組合員の半数以上が出席し、その議決権の3分の2以上の多数による議決を必要とします(特別の議決)。
労働者協同組合においては、出資口数にかかわらず1人1議決権が原則であるため、例えば組合員が10人の労働者協同組合では、少なくとも5人以上が出席し、出席した5人のうち3人以上が賛成しなければなりません。
登記手続きについて
登記の必要性
労働者協同組合は組合等登記令の適用を受ける法人です。
参考記事:組合等登記令とは?各種法人の登記法と法人登記を解説
そして、組合等登記令の別表に掲げる事項の一つとして、労働者協同組合では「公告の方法」が定められています。
よって、公告の方法は、登記しなければなりません。
公告方法の変更登記について
労働者協同組合が公告の方法を変更したときは、その日から2週間以内に変更の登記を申請しなければなりません。
登記のタイミング
公告の方法を変更した日から2週間以内に行う必要があります。
必要書類
公告の方法の変更登記を申請するには、以下の書類が必要です。
- 変更登記申請書
- 総会議事録または総代会議事録
- 委任状(司法書士への委任状)
総代会とは?
組合員の総数が200人を超える組合において、定款で定めるところにより、総会に代わるべき総代会を設けることができます。総代会は、定款の変更についての決議が可能です。
登記の申請は法務局に対して行います。司法書士に依頼することも可能で、司法書士に依頼すると、公告の方法の変更についてのアドバイスを受けたり、その事務手続きの手間を省くことが可能です。
まとめ
労働者協同組合は、働く人自身が運営する新しい形の法人ですが、公告義務や登記義務など、企業法に基づいた手続きが求められます。公告方法やその変更登記手続きは、適切に行わなければ法的な問題に発展する可能性もあります。
公告の方法を定める場合にあたっては、組合で行うことも可能ですが、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。


