会社設立は、インターネットの普及などにより、以前に比べて簡単にできるようになっていると思われています。しかし、まったく手間がかからないわけではありません。会社の種類(株式会社・合同会社など)によっても必要な手続きや費用が異なるため、正しく理解することが大切です。
会社設立は簡単なのか?
結論から言うと、設立費用さえ用意できれば誰でも会社設立ができます。
現在会社員の方はもちろん、定年退職した方や無職の方でも費用さえ払えば会社設立は可能です。
しかし、手続き自体はそこまで簡単ではない点には注意が必要です。
設立手続きのおおまかな流れ
株式会社を設立するには、一般的に次の流れを踏みます。
- 会社の基本事項を決める(会社名、所在地、事業内容、役員、資本金額など)
- 定款の作成(会社の憲法のような基本規則を定める文書)
- 定款の認証(株式会社の場合は公証役場で必要、合同会社は不要)
- 資本金の払込み(代表者等の個人名義の銀行口座に振り込む)
- 設立登記申請(登記申請書や添付書類を作成し、法務局へ提出)
- 登記完了(登記が受理されると会社が法的に成立する)
この流れを踏むことで、おおむね1か月ほどで会社を設立できます。
合同会社の場合、定款認証は不要ですが、おおむね似たような流れになります。
株式会社と合同会社の違い
- 株式会社
- 定款認証が必要
- 設立費用は約25万円程度(司法書士に依頼すると30万円~)
- 社会的信用力が高い
- 合同会社
- 定款認証不要
- 設立費用は約6万円程度と安い(司法書士に依頼すると15万円~)
- 経営の自由度が高い
コストを抑えて簡単に設立したい場合は合同会社が向いています。
なお、司法書士に依頼すると設立完了までの手続きの大半を丸投げできるため、費用はかかりますが、時間対効果(タイパ)では結果的に安くなるケースが多いです。
オンラインでの会社設立
近年は「オンライン登記申請」や「電子定款」により、会社設立が比較的簡単にできるようになっています。
紙の定款だと印紙代4万円が必要ですが、電子定款なら印紙代が不要になるためコスト削減も可能です。
もっとも、オンライン申請や電子定款を作成する場合、電子署名ができる環境が必要となります。そして電子署名の導入にはコストがかかります。
なお、ネット広告にある「会社設立代行サービス」のようなものは利用しないほうが良いです。なぜなら、そのようなサービスで会社設立の登記を申請することはできないからです。これらは定款作成のみのサービスであることが多いです。
司法書士に依頼するメリット
司法書士に依頼すると、書類の作成や登記申請を代行してもらえるため、手間やミスを大幅に減らせます。費用は数万円〜10万円程度かかりますが、時間を節約し、確実に会社を設立できます。
特に登記手続きは一般の方が行うと思った以上にめんどくさいです。補正があった場合に何度も法務局に行くのはコストパフォーマンスが悪いです。さらに、登記が却下され、会社設立を希望していた日に設立できなくなったという事態もあり得ます。
そのため上項に書いた通り、費用はかかっても時間対効果(タイパ)では結果的に安くなるケースが多いです。
会社設立後の手続きも重要
会社を設立して終わりではありません。税務署や年金事務所などへの各種届出、銀行口座開設、許認可が必要な業種では追加の手続きもあります。
登記事項証明書(履歴事項全部証明書)や会社の印鑑証明書も取得しておきましょう。
なお、会社実印を作っておかないと設立後に困ります。
まとめ
会社設立は設立費用(株式会社では25万円程度)があれば誰でもできます。
合同会社なら比較的安く設立できますし、株式会社でもオンライン手続きを利用したり専門家に依頼することでスムーズに進められます。
ただし、手続き自体はそこまで簡単ではありません。また、オンライン申請をするためにはそのための環境が必要です。
設立後に必要な届出や管理もあるため、「設立ができたとしても運営には継続的な手間がかかる」という点も理解しておくことが大切です。


