現行の経営・管理ビザ(在留資格)の要件は緩く、外国人が日本での在留資格の取得のために、実態のないペーパーカンパニーを設立しているなどの問題点が指摘されてきました。このようなことから、経営・管理の在留資格の要件が厳格化されることになりました。
主な変更点として、資本金等の額が現行の500万円から3000万円に引き上げられることになります。
その他、1人以上の常勤職員の雇用や3年以上の経営・管理の経験、中小企業診断士等による新規事業計画の確認など、いくつかの要件が加わる見込みとなりました。
ここでは、そのうち資本金の額について、実際に3000万円用意しないといけないのかを解説しています。
資本金とは?
資本金とは、会社の債権者のために確保しておくべき額の器をいいます。あくまで「器」であるため、実際にその額を会社に残しておかなければならないわけではありません。
資本金には会社の信用の基準としての役割と、法令の基準としての役割があります。例えば、経営・管理ビザの「資本金の額又は出資の総額が3000万円以上であること」という条件も法令の基準としての役割といえます。
資本金3000万円を実際に用意する必要があるのか
会社法上、資本金を3000万円と定めた場合には、その全額を実際に払い込む必要があります。
たとえば発起設立(最初から株主が資本金を出す形)であれば、発起人(出資者)は3000万円を代表者個人の名義の銀行口座に振り込み、その払込証明を添付して設立登記を申請します。
そのため、実際に3000万円の資金を用意する必要があります。
資本金の払い込み方法
- 現金の場合
会社設立前に、発起人個人名義の銀行口座に資本金を振り込み、その通帳コピーを添付します。 - 現物出資の場合
3000万円を現金で用意する代わりに、3000万円分の不動産・車両・機械設備などを出資し資本金に充てることも可能です。現物出資するにはその旨を原始定款に定めなければなりません。また、現物出資にあたっては検査役の調査が必要となる場合があります。
会社設立後は使ってもよい?
資本金として払い込んだお金は、会社設立後に会社名義の口座を作り、代表者等の個人の口座からそこに移すのが一般的です。以後は会社のお金として事業に使うことができます。
つまり、会社設立時に3000万円を一度用意する必要があるが、その後に常に3000万円保持しておく必要はないということです。
資本金3000万円の会社の設立費用は?
ここでは株式会社を設立する場合について計算しています。
- 登記の際の登録免許税:21万円(資本金の額の0.7%)
- 公証人の定款認証料:約5万円
- 印紙代:4万円(司法書士に依頼する場合は不要)
- 司法書士報酬:10~15万円程度
- その他実費:数千円
以上から、資本金の額が3000万円の株式会社設立費用はおおむね30万円強(司法書士に依頼する場合は35~40万円程度)となります。
以上に加えて、経営管理ビザ取得のための費用(行政書士報酬等)もかかります。
まとめ
資本金を「3000万円」と登記するなら、実際に3000万円を払い込む必要があります。そのため、実際に3000万円を用意しなければなりません。
ただし、そのお金は凍結されるわけではなく、会社設立後は事業資金として使えます。


