恋人が浮気をしたと知ったとき、そのショックや怒りは計り知れません。
心のダメージは非常に大きいことから、「裏切られた、慰謝料を請求できないの?」と考える方が多いのも当然のことです。
では、彼氏や彼女が浮気した場合に、法的に慰謝料を請求できるのでしょうか?
今回は、浮気に対する慰謝料請求について、法律的な観点から分かりやすく解説します。
慰謝料請求の可否
まず大前提として、法律上の「不貞行為」に基づく慰謝料請求が認められるのは、通常「婚姻関係」または「内縁関係」がある場合に限られます。
つまり、ただの交際関係(彼氏・彼女)では、慰謝料請求は原則として認められません。
なぜ慰謝料請求できないのか?
慰謝料とは、法律上の「権利侵害」があった場合に発生する損害賠償の一種です。
しかし、彼氏・彼女という関係はただの男女の恋愛関係にすぎません。そして、恋愛には自由恋愛の原則があります。
したがって、道徳的には問題であっても、法的には権利を侵害されたとまでは評価されないため、慰謝料請求は原則として認められないのです。
慰謝料が認められるケースは?
以下のような事情がある場合には、婚姻関係にない場合であっても慰謝料請求が認められる可能性があります。
婚約していた場合
婚約は、法律上の「契約」として一定の効力を持ちます。
婚約中に浮気された場合、「婚約破棄に至った原因」として損害賠償請求が認められるケースがあります。
たとえば、婚約指輪を交わし、結婚式の準備も進んでいたカップルで、相手の浮気により婚約が破談になった場合、損害賠償請求が認められる可能性があります。
これは、婚約は契約の一種であり、正当な理由なく契約を破棄した場合は、債務不履行による損害賠償請求(民法415条)が認められる可能性があるためです。
ただし、法律上、結婚(婚姻)を強制することはできませんので注意が必要です。「結婚を求める訴え」などを提起することはできません。
事実上の夫婦(内縁関係)と認められる場合
婚姻届は出していなくても、長期間にわたり共同生活を送り、実質的に夫婦同然の生活をしていた場合、「内縁関係」として法律上保護される可能性があります。
内縁の場合、性質に反しない限りで婚姻に関する民法の規定が適用されます(これを準用といいます)。
そして、「配偶者に不貞な行為があったとき」は離婚事由とされていることから、夫婦には貞操義務があります。そして、この義務は内縁の夫婦にも準用されます。
よって、内縁の夫または妻が浮気をした場合、慰謝料請求が認められる可能性があります。
慰謝料を請求する際のポイント
ここでは、婚約者や内縁の配偶者が浮気していた場合のポイントを簡単に解説します。
- とにかく証拠が重要
浮気の事実を証明するためには、写真・LINEのやりとり・探偵の報告書などの客観的証拠が必要です。もし裁判になった場合、証拠として提出することで請求が認められやすくなります。 - 相手との関係性を明確に
婚約の有無や、同棲期間・生活の実態などを具体的に主張する必要があります。 - 状況次第で弁護士への相談も
個別のケースによって判断が大きく異なるため、まずは専門家に相談することが重要です。
まとめ
- 彼氏・彼女の浮気では、原則として慰謝料請求はできません。
- ただし、婚約関係や内縁関係がある場合は、例外的に慰謝料請求が認められることがあります。
- 請求には明確な証拠と、関係性の法的根拠が必要です。
浮気による精神的なダメージは深刻ですが、慰謝料請求はできないのが原則です。また、法的に対応できるかどうかについてもケースバイケースです。
自分の状況が法的に慰謝料請求できるかどうか悩んでいる方は、早めに専門家に相談してみましょう。


