インターネットやSNS(TikTokなど)の広告で、「借金減額制度」といった言葉を耳にすることがあります。
これは、借金の返済が難しくなった人が、法律に基づいて借金の一部を減額または免除してもらう制度のことです。一般的には「債務整理」と呼ばれています。
今回は、その債務整理の種類とその仕組み、利用の流れ、注意点について詳しく解説します。
債務整理(借金減額制度)の基本的な考え方
債務整理とは、過大な債務を抱えてしまった人が再出発できるように、裁判所や専門家を通じて債務を整理する仕組みです。
債務整理には、主に以下の3つの方法があります。
任意整理
任意整理とは、弁護士や認定司法書士が債権者(貸金業者など)と直接交渉し、将来利息をカットし、返済額を減らしたりする手続きです。裁判所を通さずに行うため、比較的スムーズに進めることができます。
■ メリット
- 裁判所を介さないため、手続きが簡易
- 家族や勤務先に知られにくい
- 将来利息のカットにより返済総額を減らせる
■ デメリット
- 元金そのものは減らないのが原則
- 返済は続くため、一定の収入が必要
- 一部の債権者が交渉に応じない場合がある
司法書士が交渉できるのは、債権額140万円までの債権者となります。それ以上の借入金がある貸金業者等との交渉は弁護士でないとできません。
個人再生
個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、減額後の金額を3〜5年で分割返済していく制度です。住宅ローンを残したまま他の借金を減らせる「住宅資金特別条項」があるのが特徴です。
たとえば借金総額が500万円ある場合、状況によりますが、約100万円程度にまで圧縮されるケースがあります。
■ メリット
- 借金の大幅減額が可能
- 住宅を手放さずに手続きできる
- 職業制限がない(士業など一部の職業を辞めなくてよい)
■ デメリット
- 裁判所を通すため時間と手間がかかる
- 手続費用が高め
- 計画的に返済できないと債権者からの申立により再生計画が取り消されることがある
自己破産
自己破産は、支払い能力が完全になくなった人が、裁判所に申し立ててすべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
■ メリット
- 借金が全額免除される(税金などは除く)
- 生活を立て直すスタートラインに立てる
■ デメリット
- 一定期間、職業制限がある(士業など一部の職業には就けなくなる)
- 生活に必要なもの以外の財産を手放す必要がある
- 官報に氏名が掲載される
弁護士に依頼すると、申立を代理できるため、基本的に依頼者自身が裁判所に行く必要はありません。一方で司法書士に依頼すると、申立人は依頼者自身となるため、依頼者が裁判所に行く必要があります。その分、司法書士の方が費用が安いケースが多いです。
債務整理の利用の流れ
おおまかに以下のような流れで進めていきます。
- 専門家への相談
→ 弁護士や司法書士に現在の借金状況を伝える - 債務状況の把握
→ 取引履歴を取り寄せ、正確な残高を確認 - 最適な方法の選択
→ 任意整理・個人再生・自己破産のいずれが適切か判断 - 手続き開始
→ 書類作成・交渉・裁判所への申立などを実施 - 減額・免除後の生活再建
→ 家計の見直し、再発防止策の検討
個人再生や破産の申し立てに必要な書類は非常に多いですが、それらをすべて提出しなければなりません。弁護士や司法書士から書類の提出を求められたら、面倒であっても漏れなく提出するようにしましょう。
債務整理を受けると信用情報はどうなる?
どの手続きを利用しても、信用情報(いわゆるブラックリスト)に登録されます。
そのため、少なくとも5年以上は新たなローンを組んだりクレジットカードを利用することが制限されます。
しかし、これは「人生が終わる」という意味ではなく、生活を立て直すための期間と考えるのが大切です。
まとめ
借金減額措置は、借金で苦しむ人の再出発を支援するための法的制度です。
状況に応じて任意整理・個人再生・自己破産のいずれかを選ぶことで、現実的に返済できる環境を取り戻すことが可能です。
借金に関する悩みは、心へのダメージが非常に大きいです。そして、一人で悩んでも解決が難しいものです。
まずは弁護士や司法書士に相談し、最も適した方法を見つけることが再スタートの第一歩です。
