ゲームをもっと楽しく、そして継続的に遊びたい。そんな思いから、「ゲームを楽しむための団体」を立ち上げたいと考える方も多いのではないでしょうか?
私自身も、ゲームは大好きでよく遊んでいます。
この記事作成時点で、アクションゲームでは「モンスターハンター(モンハン)」、ロールプレイングゲーム(RPG)では「原神」を、対戦ゲームでは「大乱闘スマッシュブラザーズ(スマブラ)」をよく遊んでいます。
「ゲームを楽しむための団体」として、対戦ゲームで大会を開催するための団体を設立したり、同じゲームのファン同士で交流するための団体を設立し、中には法人化するケースもあります。
今回は、ゲーム愛好家が集まり、活動を広げるための団体設立の流れをわかりやすくご紹介します。どのような法人がおすすめかについても解説しています。対戦ゲーム、ボードゲーム、カードゲーム、TRPG、eスポーツなど、ジャンルを問わず参考になる内容です。
ゲーム団体の設立
ゲーム団体の目的を明確にしよう
まずは「何のために団体をつくるのか」をはっきりさせましょう。
たとえば
- 定期的にゲーム大会を開きたい
- 新作ゲームをみんなで試したい
- eスポーツのチームを作って大会に出場したい
- 地域で子ども向けのゲームイベントを開催したい
目的を明確にすることで、活動方針や団体の形が自然と見えてきます。
ゲーム仲間を集めよう
1人では団体は作れません。まずは身近なゲーム仲間に声をかけたり、SNSや掲示板で参加者を募集しましょう。特に、以下のような人がいると心強いです。
- 会計や事務を得意とする人
- イベント企画が好きな人
- 広報・デザインが得意な人
最初は小さな集まりでも、共通の趣味があれば自然とつながりは広がっていきます。
ゲーム団体の種類を決めよう(任意団体 or 法人)
任意団体として始める
最初は「任意団体」として始めるのが簡単です。特別な手続きは不要で、「〇〇ゲームクラブ」など名前をつけて活動を始めるだけでOKです。
必要に応じて以下を整えておくとよいでしょう
- 規約(会のルール)
- 会員名簿
- 会費の設定(必要なら)
法人化は後からでもOK
本格的に活動を広げたい場合や、助成金・寄付を受けたい場合は、一般社団法人などの法人として登記する方法もあります。ただし設立には一定の手間と費用がかかりますので、最初は任意団体で十分です。
法人化する場合については、後述します。
活動拠点や開催場所を決めよう
ゲームをする場所は重要です。大会を開いたり交流会を開催する場所としては、以下のような選択肢があります。
- 公民館や地域センター(利用料が安い)
- カフェやレンタルスペース
- オンライン(Discord、Zoomなど)
定期的なスケジュールを決めておくと、メンバーも参加しやすくなります。
情報発信を始めよう
SNSやブログ、LINEグループなどを使って活動内容を発信しましょう。新しい参加者を募るのにも役立ちます。
例:
- TwitterやInstagram、TikTok、YouTubeで活動の様子を投稿
- 無料ブログ(はてなブログ、noteなど)でゲーム会のレポート
- Googleフォームでイベント参加申し込み受付
大会における試合を配信するとよいでしょう。
【配信する時、著作権は大丈夫?】
本来であれば、ゲーム制作会社に無断でゲーム配信を行うと著作権侵害になる恐れがあります。しかし、ゲーム製作会社によっては、「ガイドラインに沿って配信する場合は著作権侵害を主張しません」というような発表している会社もあります。そのため、ゲーム配信をする場合は、まずそのゲーム制作会社の規約やガイドラインを必ず確認し、万一配信が禁止されている場合は絶対に配信をしないようにしましょう。
続けるための工夫
団体は立ち上げて終わりではありません。楽しく、長く続けるには次のような工夫が大切です。
- 活動を無理のないペースにする
- 役割を分担して負担を減らす
- 新メンバーを温かく迎える雰囲気づくり
- 年に1回「総会」や「振り返り会」を開いて改善点を共有する
ゲームを楽しむための団体は、誰でも気軽に立ち上げることができます。最初は少人数でも、仲間がいれば活動は広がっていきます。興味がある方は、まずは一歩踏み出してみましょう!
ゲーム団体を法人化する場合
任意団体でも活動は可能ですが、「より信用を得たい」「資金管理をしっかりしたい」「助成金やスポンサー契約を受けたい」といった場合には、法人化を検討する価値があります。
一般社団法人として設立する
一般社団法人とは?
一般社団法人とは、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(一般法人法)に基づいて設立される法人です。会社と同じく、人の集まりによる団体が法人となったものです。一般社団法人は営利を目的としない法人の一形態であり、一定の目的を持つ団体が法人格を取得することで、法律上の権利・義務の主体となることができます。一般社団法人の活動範囲は広く、保護猫や保護犬のための活動だけにとどまらず、、企業、地域団体、専門家グループなどさまざまな団体が一般社団法人として活用しています。
設立に必要な要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 設立人数 | 2人以上 |
| 目的 | ゲームを楽しむ・普及するなど、合法な目的であれば自由 |
| 住所 | 主たる事務所の所在地(自宅でもOK) |
| 定款 | 活動内容、役員の定めなどを記載 |
| 登記 | 法務局で法人登記が必要 |
設立の流れ(一般的なスケジュール)
- 団体の基本方針を決定
- 名称、目的、所在地、会員制度の有無などを決めます。
- 定款を作成
- 一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(設立時社員)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければなりません。
- 定款の公証人の認証
- 一般社団法人の定款は、公証人の認証を受けなければなりません。
- 役員を決定
- 理事や監事の選任方法や員数などを決めます。
- 法人設立登記の申請
- 管轄の法務局にて登記。登記簿謄本が取得できるようになります。
- 銀行口座の開設等
- 法人名義の口座を開設でき、会費や協賛金の管理もスムーズになります。
その社員になろうとする者(設立時社員)が、共同して定款を作成しなければならないため、一般社団法人は最低2人以上で設立する必要があります。
設立にかかる費用
費用はおおむね以下のとおりです
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| 登録免許税 | 6万円 |
| 定款認証料 | 5万円 |
| 印紙代 | 4万円(電子定款の場合、不要) |
| 司法書士報酬 | 10万円程度 |
| 合計 | 20~25万円程度が一般的 |
その他、印鑑証明書や登記簿謄本の取得などに数百円~数千円程度かかります。
司法書士に依頼すると、電子定款で作成するため、上記のうち印紙代はかからなくなります。
メリット・デメリット
ゲーム団体を一般社団法人として設立するメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 法人格を持つことで社会的信用が高まる
- 法人名義の口座や契約が可能になる
- 助成金・補助金の申請がしやすくなる
- メンバーの交代があっても法人は存続できる
デメリット:
- 設立に手間と費用がかかる
- 会計処理や登記変更など、法的な手続きが必要
- 事業報告書の作成や登記の申請義務(役員変更登記など)あり
ゲーム団体で一般社団法人化する例
一般社団法人として設立するゲーム団体の例は以下のとおりです。
- 地域のゲームイベント運営団体(例:ボードゲームフェスタ主催団体)
- eスポーツの大会・チーム運営団体
- ゲーム教育や福祉支援に活用する非営利団体
専門家に相談するのも安心
「法人化したいけど、定款や登記が不安…」という場合は、司法書士といった専門家に相談するのがおすすめです。費用はかかりますが、ミスのない設立ができます。
まとめ:一般社団法人は“本気の活動”におすすめ
「ゲームが好き」で集まった仲間の活動が大きくなってきたら、法人化を検討するタイミングかもしれません。一般社団法人にすることで、活動の幅が広がり、対外的な信用も得られます。
まずは任意団体として始め、継続的な活動を通じて、将来的に一般社団法人として法人化を目指すのも良い方法です。
労働者協同組合(ワーカーズコープ)として設立する
ゲームを楽しむ活動を「仕事にしたい」「継続的に収入を得たい」と考える場合、労働者協同組合(ワーカーズコープ)という選択肢もあります。
これは2022年10月に施行された「労働者協同組合法」に基づく新しい法人制度です。
労働者協同組合とは?
労働者協同組合とは、労働者協同組合法によって設立される法人で、組合員が出資し、組合員の意見が適切に反映して事業が行われ、組合員自らが事業に従事することを基本原理とします。この基本原理に従い事業が行われることを通じて、持続可能で活力ある地域社会の実現に資することを目的とするものでなければなりません。
そして、働く人々が主体となって事業を運営します。一般的な企業と異なり、出資者(組合員)が同時に労働者でもあり、経営にも関与する点が特徴です。令和4年に施行された労働者協同組合法によって設立される法人です。
つまり、労働者協同組合(ワーカーズコープ)は、
「出資」「運営」「労働」を組合員が自ら担い、対等な関係で事業を行う法人形態です。
特徴としては:
- 組合員全員が経営者であり労働者
- 出資金を出し合い、利益は組合員に分配 or 事業に再投資
- 営利活動も可能
たとえば、「ゲームイベントの企画・運営」「ゲーム講師」「子ども向けの放課後ゲーム教室」などを、収益を伴う仕事として行いたい場合に適しています。
労働者協同組合は営利活動もできるため、組合員に利益を配当することができます。これは一般社団法人にはないメリットです。
設立に必要な要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 組合員 | 3人以上が必要 |
| 出資金 | 組合員が出資 |
| 組合の目的 | 組合員が共同で働くことによって地域や社会に貢献すること |
| 定款 | 組合の目的、出資・議決方法、事業の範囲などを定める |
| 登記 | 法務局で法人登記が必要 |
設立の流れ
- 団体の基本方針を決定
- 名称、目的、所在地、会員制度の有無などを決めます。
- 定款の作成
- 公証人による認証は不要ですが、組合員の合意が必要です。
- 創立総会の開催
- 定款の承認や役員の選任などを行い、趣旨説明や参加希望者との合意形成を行います。
- 法人登記申請
- 設立後2週間以内に法務局で登記を行います。
- 行政庁への法人設立届出
- 組合は、成立したときは、その成立の日から2週間以内に、登記事項証明書及び定款を添えて、その旨並びに役員の氏名及び住所を行政庁に届け出なければなりません。
- 銀行口座の開設等
- 法人名義の口座を開設でき、会費や協賛金の管理もスムーズになります。
費用と手間の目安
労働者協同組合の設立費用は以下のとおりです。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 登録免許税 | かかりません(非課税) |
| 司法書士報酬 | 10~15万円 |
定款などは一般社団法人よりも細かいため、司法書士報酬は一般社団法人よりも高くなる場合が多いです。
労働者協同組合のメリット・デメリット
メリット:
- 組合員全員が経営に参加できる
- 労働と収益が直結するので、モチベーションが高まりやすい
- 経営者でもあり従業員でもあるため、働き方が自身の自由になりやすい
- 地域や社会貢献との親和性が高い(教育・福祉・文化分野に強み)
デメリット:
- 全員参加の運営が必要=あくまでも法人であるため個人団体よりも意思決定に時間がかかることも
- 個々の負担や責任が重くなりやすい
- 会計・法務の管理が必要(支援機関のサポート推奨)
ゲーム団体で活用する例
労働者協同組合として設立するゲーム団体の例は以下のとおりです。
- 学童や放課後支援での「ボードゲーム教室」を運営
- 高齢者施設等でのレクリエーション事業
- ゲーム関連イベントの企画・運営を“事業”として行う
- eスポーツスクールの共同経営
このように、「ゲームで地域や人とつながる」「ゲームで自分たちの働く場をつくる」という理念と相性が良い法人形態です。
専門家に相談するのも安心
労働者協同組合はまだ新しい制度であるため、まだまだ未知数なところがあります。設立を検討する場合、司法書士といった専門家に相談するのがおすすめです。費用はかかりますが、全面的なサポートを受けられます。
まとめ:仕事としてゲームを活用したいなら労働者協同組合も選択肢に
「ただのサークル活動」ではなく、「ゲームを通じて社会に貢献しながら、自分たちの働き方をつくる」ことを目指すなら、労働者協同組合は非常に魅力的な形態です。
収益事業との両立も可能なので、趣味を“仕事”に近づけたい方は一度検討してみる価値があります。
まとめ
ゲームを楽しむ仲間と継続的な活動をしたい場合、まずは「団体の形」をしっかり考えることが大切です。
任意団体として気軽にスタートする方法もありますが、社会的な信用や事業性を重視するなら、法人化も視野に入れるべきです。
法人化の主な選択肢としては、以下の2つがあります。
- 一般社団法人:非営利の活動に適しており、法人名義の契約や資金管理がしやすくなります。設立手続きは比較的簡単で、継続的な運営にも向いています。
- 労働者協同組合(ワーカーズコープ):組合員が出資・運営・労働を担う新しい働き方。ゲームを通じて仕事を生み出したい、地域に貢献したい場合に適した形態です。
どちらも定款の作成や法務局への設立登記が必要となりますが、目的やメンバーの意向に応じて適切な形を選ぶことで、活動の幅がぐんと広がります。
ゲームは単なる娯楽にとどまらず、「学び」「交流」「福祉」など多彩な可能性を持った文化です。
あなたの団体が、その魅力を広げる拠点になることを願っています。
一般社団法人と労働者協同組合との比較
| 項目 | 一般社団法人 | 労働者協同組合 |
|---|---|---|
| 最低人数 | 2人 | 3人 |
| 経営への関与 | 役員(理事等) | 全員参加型(組合員が運営) |
| 収益配分 | なし(非営利法人であるため) | 組合員に分配可能 |
| 働き方 | ボランティア中心でもOK | 労働者が経営者でもあるため自由がききやすい |
| 設立のしやすさ | 比較的簡単 | 比較的簡単 |
| 設立費用 | 20~25万円 | 10~15万円 |
※費用は目安です。


