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NPO法人の理事の代表権は制限できる?その登記についても解説

NPO法人

NPO法人(特定非営利活動法人)を設立・運営するうえで、理事の「代表権」については重要なポイントです。特に、複数の理事を置く場合や業務の分担がある場合には、「誰が法人を代表し、どのような範囲で行動できるのか」を明確にしておくことが求められます。

今回は、「代表権の範囲又は制限に関する定め」について、NPO法人法の規定や実務上の注意点を交えて解説します。

代表権とは?

代表権とは、そのNPO法人を外部に対して代表し、契約などの法律行為を行う権限をいいます。NPO法人の場合、理事の全員が法人を代表するのが原則です。

そして、理事が行った契約などの行為は、法人自体に効果が帰属します。

定款で定める「代表権の範囲又は制限」

理事は、全員がNPO法人の業務について代表するのが原則です。ただし、定款をもって、その代表権を制限することができます。

例:代表理事の代表権を制限する定め

例えば下記のように定めます。

理事甲野太郎は、○○市○○一丁目1番1号の従たる事務所の業務についてのみ代表権を有する。

このように定めることで、理事である甲野太郎さんは、従たる事務所でのみ代表権を有することになります。


制限の効力と登記事項

かつては、理事に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができないと定められていました。しかし法改正により、代表権の範囲又は制限に関する定めがあるときは、その定めが登記事項とされ、理事に加えた制限は、登記簿をみることで明らかになるようになっています。

善意の第三者とは、その事実を知らない第三者のことをいいます。上記の例では「理事に加えた制限」を知らない第三者である場合、善意の第三者となります。逆に知っている場合は悪意の第三者といいます。

■登記することで対抗力が生じる

NPO法人において、代表権の範囲又は制限に関する定めがあるときは、その定めが登記事項となります。

よって、登記をすることにより、第三者に対してもその内容を主張することが可能となります。

■登記事項となる「代表権の範囲又は制限に関する定め」とは?

前述のとおり、NPO法人では、理事全員が法人を代表するのが原則です。ただし「代表権の範囲又は制限に関する定め」がある場合、その定めを定款におくことができます。この定款の定めが登記事項となります。

登記する内容と記載方法

代表権の範囲又は制限に関する定めがある場合、登記の内容として、以下のように登記をします。

◾ 記載例(登記内容)

  • 理事甲野太郎は、○○市○○一丁目1番1号の従たる事務所の業務についてのみ代表権を有する。

登記申請の必要書類

代表権の範囲又は制限に関する定めの登記には、以下の書類が必要です。

▸ 必要書類(代表権の制限を登記する場合)

  • 登記申請書
  • 社員総会議事録
  • 定款
  • 認証書(定款変更には所轄庁の認証が必要)
  • 委任状(司法書士への委任)

登記申請先

NPO法人の主たる事務所所在地を管轄する法務局に申請します。

まとめ

登記手続きに関してご自身で対応が難しい場合や、定款の内容に悩んでいる場合は、司法書士などの専門家に相談することで確実な対応が可能です。「代表権の範囲又は制限に関する定め」を設けたときは、以下について確認しましょう。

  • 定款に定めた内容と、登記内容に食い違いがあると、第三者に誤解を与えるおそれがあります。
  • 重要な制限は、定款だけでなく、登記まで行うことで、法人を守ることにつながります。
  • 理事間のトラブルや意思疎通不足を防ぐためにも、代表権の範囲・制限は明確に文書化し共有することが重要です。
  • 理事の制限に関する定めを設けた場合、法律上その旨の登記を申請する必要があり、怠ると登記懈怠となる可能性があります。

そして、この「代表権の範囲又は制限に関する定め」は、法人の意思決定の適正化の観点から重要になることもあります。この定めを定款に置く場合、登記簿で公示することで、外部に対してもその内容を明示し、理事の代表権に制限があることが公になります。

NPO法人の運営でお困りの方は、司法書士等の専門家に相談することで、適切な対応が可能になります。

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