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未登記建物を相続により取得した際の登記について

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 司法書士ライターのTです。

 今回は、相続した建物が未登記建物だったというケースについて解説していきます。

◆未登記建物について

 まず不動産登記には表題部権利部という項目があります。表題部では不動産の表示に関する登記がされ、権利部には所有権などの権利に関する登記がされます。

 ここでいう未登記建物とは、不動産の表示に関する登記(表題登記)のない建物をいいます。表題登記とは、不動産の物理的現況を公示するもので、建物の構造や床面積、所有者などが記録されています。ここでの所有者を表題部所有者といいます。表題登記では所有者としての対抗力はありません。

 そして、表題登記のない建物を相続したときは、その建物を解体等をする場合を除き、まず表題登記を申請しなければなりません。

 表題登記の申請は土地家屋調査士が代理できます。土地家屋調査士とは、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家です。

 不動産の表示に関する登記について必要な土地又は家屋に関する調査又は測量を行います。

 表題登記を依頼する場合、土地家屋調査士へ依頼する必要があります。

 表題登記が完了後、所有権保存登記を行っていく流れとなります。

◆所有権保存登記について

 上項の未登記建物について表題登記をした後、所有権保存登記を申請していく流れとなります。

 なお、表題登記の申請は義務とされていますが、権利の登記は申請義務がありませんので、表題登記はあるが所有権保存の登記がされていない建物も存在します。

 所有権保存登記は、表題部所有者が被相続人(亡くなった人)名義であっても相続人名義で申請することが可能です。

 つまり、被相続人名義で所有権保存の登記をし、その後相続を原因とする所有権移転登記を申請するのではなく、直接相続人名義に所有権保存登記ができるということです。

 戸籍等を収集しなければならない点や遺産分割を行う必要がある点などは、通常の未登記建物ではない所有権移転による相続登記と同じです。

◆未登記建物と相続登記義務化について

 不動産登記法76条の2第1項では、

所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。」

 と定めています。

 所有権の登記名義人とは、権利部に登記された所有者をいいますので、未登記建物であれば「所有権の登記名義人」がいないため、相続登記の義務化の対象外と読み取れます。

 しかしながら、不動産登記法47条において、

「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に、表題登記を申請しなければならない。」

 との規定があることから、そもそも表題登記義務を果たしていないことになります。そして、この表題登記を怠ると、10万円以下の過料に処せられる可能性があります(不動産登記法164条参照)。

 現実的にはほぼ過料とはなっていないとみられますが、この不動産登記法164条では相続登記を申請しなかったときの過料も定められていますので、未登記建物について表題登記をしないというときは自己責任となります。

◆まとめ

未登記建物を相続したときはまず表題登記をする必要がある

その次に所有権保存登記をする

未登記建物には表題登記の申請義務がある

 今回は以上となります。

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