司法書士ライターのTです。
今回は、事業協同組合における株式会社への組織変更について解説していきます。
事業協同組合は、株式会社へ組織変更することができます。事業協同組合は中小企業者が扶け合いのために集まったものですから、株式会社になることができるとされているわけです。このように、株式会社になることができる会社以外の法人は珍しいです。一般社団法人などは株式会社になることはできませんから、これ自体が事業協同組合のメリットの一つともいえます。
組織変更の手続きの流れとしては、下記の通りとなります。
①組織変更計画の作成・総会での承認
組織変更計画には、次に掲げる事項を定めなければなりません(中小企業団体の組織に関する法律100条の4第5項)。これらは、組織変更後株式会社で定められる事項です。
①組織変更後の株式会社(組織変更後株式会社)の目的、商号、本店の所在地及び発行可能株式総数
②組織変更後株式会社の定款で定める事項
③組織変更後株式会社の取締役の氏名
④次に掲げる場合の区分に応じ、次に定める事項
イ:組織変更後株式会社が会計参与設置会社である場合組織変更後株式会社の会計参与の氏名又は名称
ロ:組織変更後株式会社が監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)である場合組織変更後株式会社の監査役の氏名
ハ:組織変更後株式会社が会計監査人設置会社である場合組織変更後株式会社の会計監査人の氏名又は名称
⑤組織変更をする組合の組合員が組織変更に際して取得する組織変更後株式会社の株式の数(組織変更後株式会社が種類株式発行会社である場合にあつては、株式の種類及び種類ごとの数)又はその数の算定方法
⑥組織変更をする組合の組合員に対する前号の株式の割当てに関する事項
⑦組織変更後株式会社が組織変更に際して組織変更をする組合の組合員に対して金銭を交付するときは、その額又はその算定方法
⑧前号に規定する場合には、組織変更をする組合の組合員に対する同号の金銭の割当てに関する事項
⑨組織変更後株式会社の資本金及び準備金の額に関する事項
⑩組織変更がその効力を生ずる日(効力発生日)
⑪前各号に掲げる事項のほか、主務省令で定める事項
そして、総会の決議において、組織変更計画の承認を受けなければなりません。なお、総代会では組織変更について議決することができません。
②反対する組合員の持分払戻請求
組合の組織変更に反対する組合員は、組合に対し、持分の払戻請求をすることができます。
③債権者保護手続
組織変更をする組合は、組織変更をする旨と債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければなりません。この「一定の期間」は、1か月以上必要です。
知れている債権者に各別の催告をするのは大変なため、定款で公告方法を日刊新聞紙又は電子公告によるものと定めている組合においては、この定款の定めにより公告することで、各別の催告を省略できます。
④組織変更の効力発生
組織変更をする組合は、①の組織変更計画にて定めた効力発生日に、株式会社となります。登記の日に株式会社となるわけではありません。
そして、効力発生日に組合員は組織変更後株式会社の株主となります。
⑤組織変更の登記
組合については解散の登記をし、組織変更後の株式会社については設立の登記をします。実際に解散や設立するわけではありませんが、登記手続き上はこのような取り扱いとなっています。
◆株主・役員について
株式会社においては、株主は法人であっても問題ありません。組合員が法人である場合、法人のまま株主となることができます。
一方で取締役や監査役などの役員は法人がなることはできず、個人でなければなりません。
組織変更後株式会社の機関設計については①の組織変更計画にて定めたとおりに従うことになります。
◆その他
中小企業団体の組織に関する法律では株式会社への組織変更が認められています。合同会社への組織変更を認めた規定はありません。
◆まとめ
事業協同組合は株式会社になることができる
組織変更後株式会社に関する事項は、組織変更計画で定める
効力発生日に株式会社になる
今回は以上となります。
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