「動物の保護活動をしたい」「社会貢献のためにNPO法人を立ち上げたい」「ボランティア活動を法人化して安定的に運営したい」――特定非営利活動法人(NPO法人)を設立したいとき、最初に悩むのが「誰に相談すればいいのか?」という点です。
NPO法人の設立には、法律や会計の知識、行政への手続きなど幅広い分野の知識が求められるため、適切な専門家に相談することが成功のカギとなります。
この記事では、NPO法人の設立時に相談すべき相手をわかりやすく解説します。
①行政書士
行政書士とは
行政書士とは、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする専門家です。
行政書士は、NPO法人の設立にあたって官公署に提出する書類の作成や申請手続きを代行できる国家資格者です。
行政書士に依頼するメリット
- 定款(ていかん)や設立趣旨書など、複雑な書類の作成を任せられる
- 所轄庁(都道府県や政令指定都市)への設立認証申請をスムーズに代行
- 設立後の運営上の法令遵守や変更届出の相談も可能
行政書士は、手続き全体をトータルでサポートしてくれる心強い存在です。
②司法書士
司法書士とは
司法書士とは、登記、供託、訴訟その他の法律事務の専門家です。
NPO法人は、設立認証を受けたあとに設立の登記を申請する必要があります。
この登記手続きの専門家が司法書士です。
司法書士に依頼するメリット
- NPO法人の設立登記を代行してもらえる
- 登記後に必要な役員変更・事務所移転などの登記変更にも対応できる
- 他の法人設立(一般社団法人、株式会社など)との違いを法的観点から説明してもらえる
司法書士は、設立後の法務面のサポートも含めて頼りになります。例えば社員総会議事録などのリーガルチェックも行えます。
行政書士と司法書士とで名前は似ていますが別の職業です。
NPO法人設立認証は行政書士、設立の登記申請は司法書士と、それぞれ連携して設立手続きを進めます。そのため、NPO法人を設立したいと思った際まずは行政書士または司法書士のどちらかに相談するとよいでしょう。
③税理士
NPO法人は「非営利法人」ではありますが、収益事業を行うと課税対象になります。
また、毎年の会計報告書や事業報告書の作成も必要です。このようにNPO法人の設立後は計算等が複雑になるため、税理士を顧問としてつけるのが一般的です。
税理士に相談するメリット
- NPO法人の会計基準に沿った帳簿の作り方を教えてもらえる
- 税務申告の要否を判断してもらえる
- 寄附金控除や補助金申請時の会計処理のアドバイスを受けられる
設立後にトラブルを防ぐためにも、税理士に早めに相談しておくことが重要です。
④所轄庁(都道府県や政令指定都市)の担当窓口
NPO法人を設立するには、まず所轄庁から設立の認証を受ける必要があります。
地域によって、都道府県庁や政令指定都市の担当課が異なる場合があります。
所轄庁に相談するメリット
- 設立申請の必要書類や手続きの流れを教えてもらえる
- 書類の書き方や不備があった場合の修正方法を確認できる
- 認証までの期間や注意点を事前に把握できる
専門家に依頼せず、すべて自分で設立手続きをする場合は直接所轄庁に相談してみるとよいでしょう。
⑤弁護士
NPO法人も、契約トラブルや内部紛争などの法的問題が起こることがあります。
そうした場合は、弁護士への相談が有効です。
弁護士に相談するメリット
- 定款内容や契約書の法的リスクをチェックしてもらえる
- 理事間トラブルや寄附金管理などの法律問題に対応できる
- 将来的なガバナンス体制構築のアドバイスが受けられる
設立初期の段階で一度、弁護士に相談しておくことで安心して活動を始められます。
まとめ
NPO法人設立時の相談窓口としては以下がおすすめです。
- 「行政書士」:書類作成・申請代行のプロ
- 「司法書士」:登記の専門家
- 「所轄庁」:制度の公式窓口(自分で設立手続きを行う場合)
まずは行政書士や司法書士に相談するのが効率的です。自分で設立手続きを行える時間がある場合は都道府県や指定都市の担当課に相談してみるのもよいでしょう。
設立後の運営まで見据えて、専門家と長期的に連携できる体制を整えましょう。
