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学校法人の寄附行為変更手続きについて解説

学校法人

学校法人は、私立の学校を設置・運営する法人として、「寄附行為」という基本規則に基づいて活動を行っています。この「寄附行為」は、いわば会社でいう定款にあたるものであり、その内容を変更する場合には、一定の手続きを踏む必要があります。

今回は、学校法人の寄附行為を変更する際の手続きについて簡単に解説します。

寄附行為とは?

「寄附行為」とは、学校法人の設立者が定める組織運営の基本規則で、少なくとも以下のような内容が含まれています。

  • 目的
  • 名称
  • その設置する私立学校の名称及び当該私立学校に課程、学部、大学院、大学院の研究科、学科又は部を置く場合には、その名称又は種類(私立高等学校(私立中等教育学校の後期課程を含む。)に広域の通信制の課程(学校教育法第54条第3項(同法第70条第1項において準用する場合を含む。)に規定する広域の通信制の課程をいう。)を置く場合には、その旨を含む。)
  • 事務所の所在地
  • 理事の定数、任期並びに選任及び解任の方法、理事長の選定の方法その他理事に関する事項
  • 理事会の招集その他理事会に関する事項
  • 監事の定数、任期、選任及び解任の方法その他監事に関する事項
  • 評議員の定数、任期、選任及び解任の方法その他評議員に関する事項
  • 評議員会の招集その他評議員会に関する事項
  • 理事選任機関の構成及び運営、理事選任機関への監事からの報告の方法その他理事選任機関に関する事項
  • 会計監査人を置く場合には、その旨及び定数その他会計監査人に関する事項
  • 資産及び会計に関する事項
  • 収益を目的とする事業を行う場合には、その事業の種類その他その事業に関する事項
  • 解散に関する事項
  • 寄附行為の変更に関する事項
  • 公告の方法

寄附行為は、その学校法人においての憲法といえる重要なルールです。

寄附行為を変更する理由

寄附行為を変更する理由としては、以下のようなものが考えられます。

  • 学校の設置や廃止
  • 理事・評議員の定数の見直し
  • 法改正への対応(例:私立学校法の改正)
  • 学校運営方針の変更

法令や社会状況の変化に対応するため、定期的な見直しが必要になる場合もあります。

令和7年の私立学校法の改正では、内部統制システムの整備など、非常に多くの改正がされました。そのため、寄附行為の見直しが必要となっています。

寄附行為変更の手続きの流れ

学校法人の寄附行為変更は以下のような手続きで行います。

①理事会の開催・決議

まず、理事会で寄附行為変更の議案を審議し、議決します。

理事会は、寄附行為変更の決議をするときは、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければなりません。

寄附行為の変更は、その学校法人においての憲法を変更するということです。変更の是非を含め、慎重に検討する必要があります。

②所轄庁への認可申請

変更案が決定したら、所轄庁(主に都道府県や文部科学省)に寄附行為変更認可申請を行います。

提出書類の例

  • 寄附行為変更認可申請書
  • 寄附行為(新旧対照表)
  • 事業計画に関する書面(大学等を新設する場合)
  • 趣旨を説明する書面 など

※私立学校法施行規則44条も参照

認可申請の書類に不備があると、認可が下りずに手続きが長引く恐れがあります。私立学校法の改正に関連して注意するべき点があるため、認可申請については、状況に応じて行政書士等に相談するとよいでしょう。

③所轄庁の審査・認可

所轄庁による審査を経て、問題がなければ認可されます。ここまでに数か月を要する場合もあります。

④登記の申請

学校法人において、以下の事項にかかる寄附行為の変更をしたときは、変更の登記を申請しなければなりません。

  • 目的及び業務
  • 学校法人の名称
  • 事務所の所在場所
  • 代表権を有する者の氏名、住所及び資格
  • 存続期間又は解散の事由を定めたときは、その期間又は事由
  • 代表権の範囲又は制限に関する定めがあるときは、その定め
  • 設置する私立学校、私立専修学校又は私立各種学校の名称

※資産の総額の変更の登記は、毎年、学校法人の事業年度末日現在のものを登記すればよいため、寄附行為の変更をしたら資産の総額の変更登記を申請しなければならないというわけではありません。

なお、寄附行為の変更により代表業務執行理事を置く定めを設けたときは、代表業務執行理事は上記の「代表権を有する者」に該当するため、その者の就任に関する登記を申請しなければなりません。⇒参考記事:学校法人における業務執行理事とは?理事長との違いも解説

まとめ

学校法人の寄附行為は、法人運営の根幹を成す重要なルールです。その変更には、理事会や評議員会の適切な議決、所轄庁の認可といった厳格な手続きが必要となります。

法令改正や運営実態に応じて、柔軟かつ適正に寄附行為を見直すことは、法人の健全な運営にとって欠かせません。必要に応じて、行政書士・司法書士等に相談することも有効です。

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