オンラインゲームやスマートフォンゲームの人気が高まる一方で、「チート」と呼ばれる不正行為も社会問題となっています。SNSや動画サイトでは、チートツールの使い方や改造方法が紹介されていることもあり、「少しくらいなら大丈夫」「バレなければ問題ない」と軽い気持ちで手を出してしまう人も少なくありません。
しかし、チート行為は単なるゲーム上のマナー違反では済まないケースがあります。行為の内容によっては利用規約違反にとどまらず、刑事事件や損害賠償請求につながる可能性もあります。オンラインゲームにおけるチート行為は法的にもさまざまな問題が指摘されており、実際に摘発事例も存在します。
この記事では、ゲームのチート行為は犯罪になるのか、そしてなぜ軽い気持ちで手を出してはいけないのかについて解説します。
ゲームでチート行為をするのは犯罪?
チート行為とは
チートとは、本来ゲームが想定していない方法で有利な状態を作り出す不正行為のことです。
例えば、キャラクターの能力を異常に高くしたり、本来存在しないアイテムを作成したり、壁の向こう側が見えるようにしたり、自動でゲームをプレイするプログラムを使用したりする行為などが代表例です。
こうした行為は、ゲームのプログラムやデータを書き換えたり、外部ツールを利用したりすることで実現されることが多く、ゲーム会社の利用規約ではほぼ例外なく禁止されています。特にオンラインゲームでは、チート行為が確認された場合、アカウント停止や永久利用禁止などの厳しい措置を取られます。
チート行為は犯罪になることがある
「ゲームの中だけの話だから犯罪にはならない」と考える人もいますが、それは大きな誤解です。チートの方法や内容によっては、さまざまな犯罪が成立する可能性があります。
例えば、チート行為によりゲームサーバーの正常な運営を妨害した場合には業務妨害に該当する可能性があります(刑法233条 偽計業務妨害罪:3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金、刑法234条の2 電子計算機損壊等業務妨害罪:5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)。
また、チートにより他人のアカウントへ不正にログインすれば不正アクセス禁止法(3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)の問題となります。
さらに、ゲームプログラムを違法に改変したり、不正なプログラムを配布したりする行為についても、著作権法などの法令が関係する場合があります。
つまり、刑事責任を問われる可能性があるのです。実際にオンラインゲームでチート行為を行ったり、チートツールを販売したことで有罪判決が出されたケースもあります(横浜地半平成31年4月16日 など)。
民事上の責任を負う可能性もある
刑事責任だけではありません。
チートによってゲーム会社へ損害を与えた場合、不法行為(民法709条)として損害賠償請求される可能性もあります。
ゲーム会社は、公平なゲーム環境を維持するために多額の費用をかけています。チート行為によってサーバー運営に支障が出たり、多くの利用者が離れたりすれば、その損害は決して小さくありません。
実際にチート利用者に対して損害賠償請求が行われた事例もあり、「遊びだった」「冗談だった」では済まされません。
チートツール自体にも危険がある
インターネット上には無料で利用できるチートツールが数多く公開されています。しかし、それらにはウイルスや不正プログラムが仕込まれているケースも少なくありません。
チートツールをインストールした結果、個人情報やゲームアカウント、SNSのパスワードなどが盗まれる被害も報告されています。
「ゲームを有利に進めたい」という軽い気持ちが、自分自身の情報漏えいや金銭的被害につながることもあるため、非常に危険です。
「他の人がやっているから」は理由にならない
SNSでは、チート動画が何万回も再生されていることがあります。そのため、「これだけ多くの人がやっているなら大丈夫だろう」と考えてしまう人もいます。
しかし、多くの人がやっていることと、許されることは全く別です。違法な行為や利用規約違反は、人数が多ければ正当化されるものではありません。
また、ゲーム会社は年々チート対策を強化しており、不正行為の検出技術も進歩しています。以前は見つからなかった方法でも、後日まとめてアカウント停止となるケースも珍しくありません。
チート行為はしないで公平なゲーム環境を守ることが大切
ゲームは、多くのプレイヤーが同じルールのもとで楽しむものです。
チートを使用すれば、一時的には勝てるかもしれません。しかし、その結果として他のプレイヤーの楽しみを奪い、ゲーム全体の価値を下げてしまいます。
ゲーム会社も、公平な環境を維持するために日々努力しています。
だからこそ、一人ひとりがルールを守って遊ぶことが重要なのです。
まとめ
ゲームのチート行為は、「ただのズル」で終わる問題ではありません。
利用規約違反によるアカウント停止だけでなく、内容によっては刑事事件や損害賠償につながる可能性があります。また、チートツールにはウイルスが仕込まれている危険もあり、自分自身が被害者になることもあります。
「少しくらいなら大丈夫」「他の人もやっているから問題ない」という考えは非常に危険です。
ゲームはルールを守ってこそ、本当の楽しさがあります。軽い気持ちでチート行為に手を出すことは避け、公平な環境で安心してゲームを楽しむようにしましょう。
