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学校法人における業務執行理事とは?理事長との違いも解説

学校法人

令和7年4月1日、私立学校法の大幅な改正が施行され、学校法人のガバナンス体制が大きく見直されます。

そのひとつとして、新たに「業務執行理事」「代表業務執行理事」が導入されました。

今回は、業務執行理事・代表業務執行理事とはどんなものかを解説します。併せて理事長との違いについても解説します。

※本記事の内容は、私立学校法第百五十二条第五項の法人(いわゆる準学校法人)においても基本的に該当します。

業務執行理事・代表業務執行理事とは?

これまで学校法人の「代表者」は理事長でした。改正後は理事長以外の理事も、理事会の決議により法人を代表する代表業務執行理事として選任することが可能になりました。

業務執行理事とは?

業務執行理事とは、学校法人の業務を執行する理事です。この「業務の執行」とは、法人の経営を行うことを示します。業務執行理事は、理事会の定めるところにより理事長を補佐して学校法人の業務を掌理(とりまとめること)します。

業務執行理事を置くかどうかは学校法人の任意です。業務執行理事を置かないこともできます。

業務執行理事と代表業務執行理事の違い

代表業務執行理事とは、学校法人を代表し、理事会の定めるところにより理事長を補佐して学校法人の業務を掌理する理事です。

業務執行理事との違いは代表権があるかどうかです。

代表業務執行理事について、学校法人の内部的には必ずしも「代表業務執行理事」と呼称する必要はなく、「副理事長」「常任理事」と呼称することも問題ありません。しかし、寄附行為においてはどの職に該当するかどうかを明示しなければなりません。

なお、理事長ではなく、かつ業務執行理事でも代表業務執行理事でもない理事は、学校法人の業務を執行しません。

業務執行理事・代表業務執行理事の選任

寄附行為の定め

学校法人は、寄附行為をもって定めるところにより、代表業務執行理事又は業務執行理事を置くことができます。つまり、代表業務執行理事を置くためには寄附行為で定める必要があります。

選任手続き

業務執行理事は、寄附行為をもって定めるところにより、理事(理事長及び代表業務執行理事を除く)のうちから、理事会が選定します。

そして、代表業務執行理事についても、寄附行為をもって定めるところにより、理事(理事長を除く)のうちから、理事会が選定します。

寄附行為での規定が必要

上記のとおり、代表業務執行理事を設置する場合は、寄附行為にその旨を明記する必要があります。例えば、以下のように記載します。

寄附行為の条文例

第〇条(代表業務執行理事)
1 本法人は、理事長のほか、理事会の決議により選任された理事を代表業務執行理事とすることができる。
2 代表業務執行理事は、法人を代表し、理事長を補佐して法人の業務を掌理する。

理事長と代表業務執行理事の違い

学校法人には理事長1人を置くものとし、寄附行為をもって定めるところにより、理事のうちから、理事会が選定します。

そして、理事長は学校法人を代表します。

一方で代表業務執行理事は、理事長を補佐して学校法人の業務を掌理します。これは、万一理事長に事故があって学校法人の業務を執行できない場合に、代表業務執行理事が理事長に代わって学校法人を代表して業務を執行するものです。

つまり、理事長の代わりに学校法人を代表するのが代表業務執行理事というイメージです。

業務執行理事・代表業務執行理事の報告義務

代表業務執行理事及び業務執行理事は、毎会計年度に四月を超える間隔で2回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければなりません。

また、理事(理事長・業務執行理事・代表業務執行理事を含む)は、評議員会において、評議員から特定の事項について説明を求められた場合には、原則として、当該事項について必要な説明をしなければなりません。

これらは、主に私立学校のガバナンス強化のために課されています。

登記について

代表業務執行理事は、「理事」として登記をする必要があります。これは、従来の理事長と同様に、対外的な責任を明確にするためです。

この時、登記簿における資格として「理事」と登記され、「副理事長」「常任理事」という資格を冠することはできません。

まとめ

学校法人の私立学校のガバナンス強化と社会の信頼を向上のため、私立学校法が大きく改正され令和7年に施行されました。

この中で、「業務執行理事」は、学校法人における新しい経営体制の中核となる制度です。理事長だけでなく、組織的に業務を分担しながら、適正な監督と報告の仕組みを導入することで、より透明で信頼される法人運営が可能になります。

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